※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【北海道公立入試・数学】大問3(関数)の動点は「動かす」な。「文字 𝑡」で時間を止める座標固定テクニック
序論:動点という幻想
関数のグラフ上を点が動く。
この「動点問題」が出た瞬間、思考停止する受験生が多い。
「点が動いたら、図形の形も変わってしまう。どう考えればいいんだ」と。
プロの視点は違う。
「動くなら、止めてしまえばいい」と考える。
時間を止めるための最強の道具、それが「文字 $t$」である。
北海道の大問3は、この「$t$」を使えるかどうかが、合否の分水嶺となっている。
1. 座標を「文字」で固定する(2024年の事例)
2024年度の問題を見てみよう。
2つの放物線 $y=2x^2$、 $y=\frac{1}{2}x^2$ が与えられ、その上を点が動く設定である。
ここで「動く」と考えてはいけない。初手はこれで固定だ。
この宣言をした瞬間、点Pは $(t, 2t^2)$ という静止した座標になる。
同様に、
- 点Qは $y$ 軸対称だから $Q(-t, 2t^2)$
- 点Rは同じ $x$ 座標を持つから $R(t, \frac{1}{2}t^2)$
全ての点が $t$ という一つの文字で表現される。
直角は「自動的」に決まる
問題の条件は「 $\triangle PQR$ が直角二等辺三角形になる」ことだ。
ここで、「どこの角が直角なんだ?」と悩む必要はない。
- 線分PQは $x$ 軸に平行(水平)
- 線分PRは $y$ 軸に平行(鉛直)
よって、 $\angle P = 90^\circ$ は自動的に成立している。
君がやるべき仕事は、残る条件「脚の長さが等しい( $PQ=PR$ )」を式にすることだけだ。
長さを $t$ で表す
問題文に $t>0$ という条件があるため、座標の差がそのまま長さになる。
- 横の長さ ($PQ$): $t – (-t) = 2t$
- 縦の長さ ($PR$): $2t^2 – \frac{1}{2}t^2 = \frac{3}{2}t^2$
これらを等号で結ぶ。
$$2t = \frac{3}{2}t^2$$
$t>0$ より $t$ で割って整理すれば、 $t = \frac{4}{3}$ が導き出される。
図形的に悩む余地はない。ただの代数処理である。
2. 普遍的な解法プロセス(2022年の事例)
2022年度の問題も構造は全く同じだ。
「 $\angle AOB = 90^\circ$ になる」 という条件を見て、図形の性質だけで解こうとするとハマる。
ここでも初手は固定である。
「点Aの $x$ 座標を $t$ とする」
すると $A(t, at^2)$ と置ける。あとは直角三角形の条件(三平方の定理や傾きの積など)を方程式に翻訳して処理するだけだ。
実際、解説にある因数分解 $t(at-1)=0$ を経て、$at=1$(反比例の関係)という結論に至る。
結論: $t$ は「スナップショット」である
動点問題において、君がやるべきは動画を再生することではない。
「ある一瞬」をスクリーンショットで切り取り、その静止画の中で長さを測ることだ。
そのシャッターを切るボタンこそが、「座標を $t$ と置く」という行為である。
近年の北海道入試(大問3)は、この型を執拗に繰り返している。
迷ったら $t$ と置け。それが合格への最短ルートだ。

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