※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【2026神奈川県公立入試講評】数学は「計算」ではない。「読解」と「事務処理」の耐久戦だ。
本日(2月17日)、2026年度神奈川県公立高校入試が実施された。 受験生諸君、そして保護者の皆様、まずは長い戦いを終えたことを労いたい。
ただし、神奈川の数学において、「計算ミスをした」のような感想だけで片付けるのは危険だ。 本質は、長い条件文を読み落とさず、手順通りに処理し、最後に数値を一致させる――この一連の「作業精度」にある。過去のデータを見ても、神奈川は一貫して「読解」と「正確な出力」に依存する設計がなされている。
本稿では、現時点で入手できた2026年の設問(主に問1・問6)と、過去データ(2023〜2025)を照合し、神奈川数学の「型」を速報で整理する。
1. 2026年の特徴(入手範囲からの速報)
問6:空間図形(円柱)――「完答」前提の数値マーク
大問6は円柱を題材に、(ア)表面積、(イ)三角形の面積を処理させる構造である。
- (ア) 表面積: 標準的な表面積の計算問題だ。選択肢(16π~96π)が用意されている分、計算ミスには気づきやすい。ここは落とせない。
- (イ) 面積計算: 問題はこちらである。マークシートの「タ・チ・ツ」に0〜9の数字を入れる形式で、部分点は存在しない。
計算プロセスがどれほど合っていても、最後の数字が一つズレれば0点になる。神奈川数学は、この「精度の圧(プレッシャー)」を、思考力を要する難所に乗せてくるのが特徴だ。
2. 神奈川数学の設計思想(2023〜2025から見える型)
当研究所が保有する過去データを参照すると、神奈川数学には明確な「型」が存在する。
特徴①:ルール問題は「読んで、追って、潰す」 神奈川は、公式より先に「条件文の読み取り」を要求する。 2025年の「重り取りゲーム」は典型で、「もしAならBへ移動する」といった条件分岐を読み違えた瞬間に、立て直しが効かなくなるタイプである。 数学力というより、ルールをトレースする「論理的検証力」が試されている。
特徴②:確率は「全探索」が最短ルート 神奈川の確率は、スマートな式変形(CやP)よりも、「全探索」が強い。 2024〜2025年の系統では、条件分岐が多く、頭の中だけで処理すると「例外」を見落とす。6×6の表を書き、36通りすべてを可視化して潰すのが、最も合理的で確実な解法である。
3. マークシートの落とし穴――「選択肢」と「数値マーク」は別物だ
神奈川県は完全マークシート方式だが、それが得点のしやすさに直結するわけではない。 特に問2や問6で見られる「数値マーク」は、部分点がなく、完答が前提になる。
- 選択肢問題: 計算ミスによる誤答が選択肢に含まれている場合があり、油断ならない。
- 数値マーク: 「だいたい合っている」は通用しない。「完全に合っている」か「0点」か。
よって本番で必要だったのは、ひらめきよりも「検算・桁・条件の再確認」という事務処理能力である。
【難易度分析】平均点はどう動くか?
現時点で全容は明らかではないが、確認できた問題の構造から推測すると、「例年並み(50点台前半)」で推移する可能性が高い。
- 基礎点: 問1などの計算問題は標準的であり、ここで大きく崩れることはない。
- 高得点の壁: 問6(イ)のような「数値マーク」が防波堤となり、平均点が極端に跳ね上がることもない。
つまり、「取れる問題」と「取れない問題」がはっきり分かれた試験と言える。 上位校を目指す層にとっては、「なんとなくできた」ではなく、「数値マークを完璧に合わせ切ったか」という一点が、合否の分水嶺となるだろう。
結論:求められたのは「読み取り」+「検証」+「正確な出力」
現時点で確認できた範囲でも、2026年は例年の路線(読解負荷・精度負荷)を踏襲していると見られる。
- 長い条件文から要点を抜き出す 読解力
- 例外を落とさず表で潰す 検証力
- 数値を合わせ切る 出力精度(事務処理能力)
なお、平均点の見通しについては、現時点では全体のデータおよび公表値がないため言及を避ける。 ただし上位校を目指す層にとっては、ルール問題(問3等)と数値マーク(問6等)の“完答圧”をどう処理したかが、合否の分水嶺になることは間違いない。

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