※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【沖縄県公立入試】数学・作図は「国語」である。過去5年の全問題が「3つの定石」だけで機械的に解けることを証明する
1. 導入:その「解法」は、海を越えて通用する
多くの受験生が、作図問題に対して「図形的センス」や「ひらめき」が必要だという誤解を抱いている。しかし、それは幻想に過ぎない。
当研究所では、千葉県公立入試の分析において、「作図は日本語の条件を数学の記号に変換するだけの『翻訳作業』である」という結論を提示した。
この理論は、千葉県のみならず、あらゆる都道府県の入試問題に適用可能な「普遍的な定石」である。本稿では、沖縄県公立入試の直近5年分(2021〜2025)を検体として、この解法がいかに強力かを実証する。
センスなど本質的には不要である。「日本語を読む力」さえあれば、沖縄の作図はすべて機械的に処理できる。
※補足:分析対象について 沖縄県の作図は、2017年以降「基本動作」中心に回帰している一方で、2015〜2016年には「円周角の定理の逆」や「接線の性質」といった応用知識を要求する出題も見られた 。 したがって本稿では、現在の出題トレンドである「基本ツールの運用」に焦点を当て、直近5年(2021〜2025)の検証を行う。
2. 武器の確認:「3つの翻訳定石」
作図攻略の核心となる「3つの道具」と「翻訳テーブル」の詳細な理論については、以下の基礎記事を参照されたい。まずはこの記事で「道具の使い方」をインストールしてから、本稿の実践へ戻ってくることを推奨する。
本稿では、上記記事で解説した以下の「翻訳テーブル(簡易版)」を使用し、淡々と過去問を処理していく。
【習志野受験研究所式・翻訳テーブル】
| 問題文のキーワード | 使うべきツール(定石) |
| 2点 A, Bから等しい距離 | 垂直二等分線 |
| 2直線 ℓ, m から等しい距離 | 角の二等分線 |
| 最短距離 / 高さ | 垂線 |
| 円の中心 | 垂直二等分線 |
| 角が等しい / 半分にする | 角の二等分線 |
3. 実践:過去5年分の「機械的翻訳」検証
それでは、実際に沖縄県の過去問を「翻訳」する。
過去5年間、キーワードを見るだけで解法が確定しなかった年は一度もない。
【2025年】問1:円の中心を作図せよ
- 問題文の条件: 「弦AB、弦CDを利用して、円の中心Pを作図しなさい」
- 翻訳プロセス:
- 「円の中心」とは何か?
- 定義より、円周上の点(A, B)から等しい距離にあり、かつ(C, D)からも等しい距離にある点だ。
- 「2点から等しい距離」の翻訳 → 「垂直二等分線」
- 結論: 弦ABの垂直二等分線と、弦CDの垂直二等分線を引く。その交点が中心Pである。
【2024年】問2:三角形の高さを描け
- 問題文の条件: 「辺BCを底辺とみたときの高さをAPとするとき、点Pを作図しなさい」
- 翻訳プロセス:
- 「高さ」とは何か?
- 頂点から底辺へ向かう「最短距離」のことだ。
- 「高さ・最短距離」の翻訳 → 「垂線」
- 結論: 点Aから辺BCに向かって垂線を引く。BCとの交点が点Pである。 (※まさかの「垂線を1本引くだけ」という、基礎的な処理問題だ)
【2023年】問3:35°の線を作れ
- 問題文の条件: 「∠B = 70°」「∠ABP = 35° となるような点P」
- 翻訳プロセス:
- 70°の角がある。35°を作りたい。
- $70 \div 2 = 35$ 。つまり、角度を「半分」にすればよい。
- 「角度を半分」の翻訳 → 「角の二等分線」
- 結論: ∠Bの角の二等分線を引く。辺ACとの交点が点Pである。
【2022年】問4:条件を満たす点T
- 問題文の条件:
- 「2点P, Qから等しい距離にある」
- 「三角形ABCの辺上にある(中略)面積が最大となるような点をT」
- 翻訳プロセス:
- まず「2点から等しい距離」の翻訳 → 「垂直二等分線」。これで候補となる線が決まる。
- 次に「面積が最大」を翻訳する。三角形の面積は $\text{底辺} \times \text{高さ} \div 2$ で決まる。
- 底辺をPQで固定して考えると、面積は「高さ(底辺PQからの距離)」に比例する。
- したがって、垂直二等分線と辺の交点のうち、PQからより遠い方が面積最大となる。
- 結論: 線分PQの垂直二等分線を引く。三角形の辺との交点のうち、PQから遠い方を点Tとする。
【2021年】問5:角が等しくなる点
- 問題文の条件: 「∠BAP = ∠CAP となる点P」
- 翻訳プロセス:
- 「角が等しい(同じ大きさ)」とはどういうことか?
- 角Aを2つに分けているということ。
- 翻訳 → 「角の二等分線」
- 結論: ∠Aの角の二等分線を引く。辺BCとの交点が点Pである。
4. 結論:作図は「発想」ではなく「手順」である
以上、沖縄県公立入試の過去5年分を検証した結果、すべての問題が「翻訳テーブル」通りの挙動を示した。
- 2025年:垂直二等分線
- 2024年:垂線
- 2023年:角の二等分線
- 2022年:垂直二等分線
- 2021年:角の二等分線
これが現実である。
作図は「発想」ではなく、条件文を作図操作へ変換する手順作業である。
コンパスを持って「どんな図形だろう?」と悩む時間は無駄だ。
まず鉛筆を持ち、問題文のキーワードに線を引く。そして、理論編の記事で手に入れた「翻訳テーブル」に従って使うツールを即断する。
コンパスを持つのは、やることが決まった後だ。
この「翻訳」のプロセスさえ身につければ、作図はもはや数学の問題ですらなく、単なる「作業」となり、千葉だろうが沖縄だろうが、確実に得点を奪取できる武器となるだろう。
▲【理論編】まだ読んでいない者は、今すぐこの「翻訳テーブル」を手に入れろ

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