【神奈川県公立入試】数学のカギは「確率」と「関数」だ。センス不要の「6×6表」と「面積比」攻略法

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

1. 序論:「数学的センス」という逃げ口上

「うちの子は数学的センスがなくて…」

「計算ミスが多くて、点数が安定しない…」

神奈川県の公立高校を目指す受験生の保護者に共通する悩みではないだろうか。

だが、断言する。その認識は間違っている。点が取れないのは「センス」がないからではない。「仕様書(ルール)」を読んでいないからだ。

神奈川県の数学、特に「確率」や「関数」の問題を見てほしい。

やたらと長い会話文、複雑な操作ルール、条件分岐。これは、大学入試や他県の入試とは異質の「業務仕様書」である。

出題者が求めているのは、閃きで難問を解く天才ではない。

「渡されたマニュアル(問題文)を正しく読み、その指示通りに手を動かせる実務家(エンジニア)」である。

本記事では、習志野受験研究所が直近3年分(2023-2025)の過去問を徹底解剖して導き出した、「暗記やセンスに頼らず、作業として高得点を取るための攻略ロジック」を公開する。

2. 分析データ:3年間の「タスク」解剖

当研究所が解剖した2023年から2025年の出題構造を見れば、その意図は明白だ。

彼らは毎年、同じ形式で「処理能力」を測定している。

年度 大問 単元 タスク(求められる処理)
2025 問3 データ 箱ひげ図の定義を会話文から読み取り、矛盾を判定する読解処理
2025 問5 確率 おもりの個数と合計による条件分岐(IF文)シミュレーション
2024 問4 関数 面積比(3:2)から逆算して座標を特定する図形操作
2024 問5 確率 カードの数字の「約数」を取り除くアルゴリズム実行
2023 問3 関数 移動と停止を含む複雑なダイヤグラム(運行グラフ)翻訳
2023 問5 確率 サイコロの目と同じ数のブロックを動かすルール処理

計算問題(問1・2)を除けば、純粋な数学力だけで解ける問題は少ない。

「ルールを理解し、実行する」というタスクが支配していることがわかるだろう。

なお、空間図形(問6)も毎年重厚な出題があるが、こちらは「展開図を描く」「断面で切る」という定石通りの処理で対応可能である。本稿では、受験生の差が最もつきやすく、かつ戦略的な対策が不可欠な「確率」と「関数」に焦点を絞る。

3. 攻略アルゴリズム:神奈川を制する「3つの鉄則」

このエンジニアリング試験を突破するための、具体的なコード(解法)を提示する。

鉄則①:確率は「全探索デバッグ」である

3年連続で、確率は「サイコロを乱数とした操作系ミニゲーム」である。

  • 2023:ブロック移動(IF 個数一致)
  • 2024:カード除去(IF 約数)
  • 2025:おもり取り分け(IF 合計値)

これらは「確率の計算」ではなく、仕様書どおりに例外なく動くかを検査するトレース作業だ。

対策は一つ。頭の中で計算しようとするな。必ず「6×6の全探索表(36マス)」を描け。

36マス全てに、指示通りの結果を書き込む。これを「全ケースのデバッグ作業」と心得よ。

「カードがなくなった場合」などの例外処理も含め、36マスを埋め切った瞬間、条件漏れのバグは消滅する。

鉄則②:関数は「面積」で座標を支配する

関数の後半設問は、必ず「面積」が絡む。

ここで重要なのは、思考の順序だ。神奈川の関数は、「座標→面積」ではなく「面積(比)→座標」が本流である。

「面積比が3:2になるように」といったオーダーに対し、まずは「等積変形(平行線)」や「底辺比=面積比」を用いて、図形の形を整える。

座標計算は最後だ。面積条件から逆算して座標を特定する「逆方向の処理回路」を持たなければ、時間内に解き切ることはできない。

鉄則③:読解負荷の高い「仕様書」へのマーキング

問3(データ・会話文)や問5(確率)の問題文は長い。

多くの生徒は、この長文を「なんとなく」読んでしまい、自滅する。数学の問題文を「国語」として読め。

特に以下の3つのキーワードは、出題者が仕掛けたトラップ(例外条件)の合図だ。必ず二重線で強調しろ。

  1. 「ただし〜」(前提条件の変更)
  2. 「少なくとも〜」(範囲の限定)
  3. 「〜でないもの」(否定条件)

問題用紙をきれいに使う必要はない。情報はすべて可視化(ビジュアライズ)し、脳のメモリを使わない状態にすること。

4. 結論:才能ではなく「作業」である

神奈川県の数学で高得点を取るのに、天才的な閃きは不要だ。

必要なのは、以下の「作業」を淡々とこなす実務能力である。

  1. 仕様理解: 長い問題文からルールを正確に読み取り、マーキングする。
  2. 実装: 6×6の表やグラフへの書き込みで、情報を可視化する。
  3. デバッグ: 条件分岐(IF文)の例外処理にミスがないか確認する。

これを「数学」だと思って解こうとするから苦戦する。これは「業務」だ。

感情を排し、プロフェッショナルとして、指示されたタスクを正確に遂行せよ。

【今日からのアクション】

まずは手元にある過去問の「確率(問5)」を3年分解いてみよう。

ただし、計算で解くことは禁止する。必ず「6×6表」を書き、36マスすべてを埋めること。

この作業が「面倒だ」と感じるなら、まだ合格の準備はできていない。「確実だ」と感じられた時、君はエンジニアとしての第一歩を踏み出している。

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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