※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【鹿児島県公立入試】数学大問5の正体は「図形」ではない。提示理論を処理し切る“実務”である。
1. 序論:表面的な「難問」という誤認の排除
鹿児島の大問5を「難しい平面図形」と定義するのは、現象の表層だけを見た誤認である。ここで問われているのは、天賦の才による補助線のセンスでも、既視感のある解法パターンの暗記でもない。提示された考え方・手順・誘導を正確に読み取り、それを数学の道具(ツール)へと落とし込んで最後まで処理し切る力――すなわち、「思考の翻訳実務」だけが測られているのである。
2. エビデンス:4年間で一貫した「選抜枠」の構造
直近4年の大問5を解剖すると、題材という「衣装」こそ毎年変わるが、要求されている作業の中身は驚くほど一貫している。
| 年度 | テーマ | 要求される処理の中身 |
| 2025 | 円周率の近似(数学史) | 正多角形で円周を挟み撃ちし、三平方を使って計算を完遂する |
| 2024 | 探究幾何(フェルマー点) | 誘導に従い、合同・相似・面積比(二乗比)へ落として詰め切る |
| 2023 | 折り返しと面積比 | 三平方と相似を重ねて、比を数値(線分長)へ確定させる |
| 2022 | 規則性と一般化 | 周期を抜き出し、$n$ を用いた一般式へと整理する |
結論は単純である。大問5は「初見テーマの理解」→「基本ツールへの分解」→「計算・一般化の完遂」というプロセスで、受験生をふるいに落とす装置として設計されている。
3. 攻略アルゴリズム:才能を不要にする「3つの手順」
大問5は、以下の手順で機械的に処理することが可能である。
Step 1:誘導とルールを「解法の一部」として完全受容する
鹿児島の大問5には、最初から最後まで「作者の意図したレール(誘導)」が敷かれている。まずは、そこで指定される視点――何を比較し、何を求めさせたいのか――というマクロな目的を外さないこと。独創的な別解を探す時間は、この試験においては「自滅」への招待状でしかない。
Step 2:理解した瞬間に、線分・式・比へ落とす
テーマを理解しただけでは、得点には結びつかない。線分を未知数 $x$ と置く、比を方程式にする、面積比を二乗比で処理する、三平方を執拗に回す――紙の上に数学的事実を積み上げよ。2025年度の円周率近似問題も、その学術的な装飾を剥げば、最終的には三平方の定理と愚直な計算の完遂に回収されるのである。
Step 3:最後に「一般化・結論」まで閉じる
途中で止める者が、最も大きな損を被る。鹿児島の大問5は、最終段で「言語化」や「まとめ」を要求し、処理の甘さを露呈させる構造になっている。最後まで計算と論理を閉じ切るタフネスを持て。
4. 結論:必要なのは「ひらめき」ではなく「作業量」である
大問5に必要なのは、天才的なひらめきではない。提示された理屈を読み、基本ツールへ分解し、計算と結論まで閉じ切る「実務能力」だけである。「初見に弱い」という弱音の正体は、才能の欠如ではなく、単にこの処理プロセスを最後までやり切った経験の不足に過ぎない。
上位校を狙うなら、美しい解法探しを捨てよ。
「誘導 → 分解 → 完遂」という訓練の物量で、この冷徹な試験をねじ伏せろ。

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