【鳥取県公立入試】数学 傾向と対策|平均点20点台の正体。「連比」と「翻訳」で勝ち抜く(2022-2025分析)

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

目次

1. 序論:平均点「26点」の現実を見よ

「鳥取の数学は難しい」「過去問を解いても半分も取れない」

もし君がそう嘆いているなら、まずは以下のデータを見て、冷静に立ち位置を確認すべきだ。

【鳥取県公立入試 数学 平均点推移(50点満点)】

  • 2022年度:26.7点
  • 2023年度:26.9点
  • 2024年度:23.8点
  • 2025年度:26.6点

見事なまでに20点台中盤で推移している。つまり、「半分取れれば平均点」であり、7割(35点)も取れば米子東や鳥取西といったトップ校の合格者平均に届く難易度設計なのだ。

この「低平均」の原因は、計算が複雑だからではない。問題文が長く、図形が複雑で、「何をすればいいか」の判断に時間を食いつぶされているからだ。

2022年から2025年までの4年分を並べると、攻略の糸口ははっきりしている。

鳥取県入試は数学の試験ではない。日本語の長文を数式に変える「翻訳」と、複雑な図形を比率で処理する「連比(れんぴ)」の耐久試験である。

本稿では、この高難易度セットから確実に得点を拾うための「攻略手順」を解説する。

2. 分析データリスト(2022-2025)

まずは直近4年間の出題傾向を見てほしい。難易度の波はあるが、問われる能力の「軸」は全くブレていない。

年度大問単元テーマ解法の手順(アルゴリズム)
20252データ箱ひげ図[読解] 四分位範囲・データの散らばり
20253数式数の性質[翻訳] 手順の数式化 ($10a+4$等)
20255図形ルーローの三角形[分解] 定幅図形 $\to$ おうぎ形の和
20242データマラソン(標本)[読解] 母集団と標本・ヒストグラム
20243数式速さ(旅行)[立式] ダイヤグラム的整理
20245図形立方体切断[視点] 展開図 $\to$ 相似比
20232データ規則性・平均値[論理] 平均値の罠(外れ値)の記述
20233関数一次関数[操作] 面積等しい $\to$ 平行線利用
20234図形平行四辺形[比率] 砂時計型相似 $\to$ 面積比
20223規則性紙の貼り合わせ[置換] $n$枚目の変化を数式化
20224関数放物線[操作] 面積比からの座標特定
20225図形平行四辺形・相似[連比] 3連比($AH:HG:GC$)の統合

3. 攻略アルゴリズムの解説

この表から導き出される、鳥取県攻略のための「3つの鉄則」を解説する。

① 大問2(データ)は「論理のオアシス」である

高難易度の鳥取入試において、唯一の「癒やし」が大問2(データの活用・確率)だ。

2023年の「平均値の罠」、2025年の「箱ひげ図」など、ここは計算力ではなく「用語の定義」と「論理的記述」で勝負が決まる。

  • 対策: 「平均値」「中央値」「最頻値」の違いを、計算ではなく「言葉」で説明できるか?
  • 戦略: 難解な大問5に挑む前に、ここで確実に満点を確保し、精神的安定を得ることが最優先だ。

② 数式・規則性は「翻訳作業」に徹せよ

大問3あたりに出題される「会話文形式の数式問題」や「規則性」。

2025年の「数の計算手順」や2024年の「研修旅行」は、一見複雑そうに見えるが、やることは単純だ。

  • 鉄則: 全体を読んでから考えるのではない。読みながらリアルタイムで「文字式」に変換するのだ。
    • 「10倍して4を足す」と読んだら、即座にメモ用紙に $10a+4$ と書く。
    • 「$x$分歩く」と読んだら、即座に $\frac{x}{60}$ 時間と書く。
  • この「逐次翻訳」ができれば、文章題はただの計算問題になる。

③ 幾何(大問5)は「連比」を制する者が勝つ

鳥取県のラスボス、大問5。多くの受験生がここで撃沈する。

特に平面図形の場合、最終的な答えは必ずと言っていいほど「比(Ratio)」になる。

2022年の「$AH:HG:GC$」や、2023年の面積比問題を見てほしい。これらを解く鍵は、複数の比を一つにまとめる「連比(れんぴ)」の技術だ。

  • Core Logic:図の中に複数の「相似(砂時計型やピラミッド型)」を見つけると、それぞれ「$A:B=2:1$」「$A:C=3:1$」のような情報が得られる。ここで止まってはいけない。比は出た瞬間に「統合(最小公倍数で揃える)」しないと点にならない。統合できない比は情報ではなく、単なるノイズだ。「全体を6と置く」といった操作で、すべての線分を共通の比率で統合する。この作業こそが、鳥取県の図形問題を解くためのマスターキーである。

4. 結論:才能ではなく「作業」である

鳥取県の数学入試において、天才的な「ひらめき」が求められる場面はほぼない。

必要なのは、以下の3つの作業を淡々と遂行する「実務能力」だけだ。

  1. データの定義確認(用語理解)
  2. 長文の数式翻訳(リアルタイム立式)
  3. 図形の比率統合(連比の処理)

「うちの子には数学のセンスがない」と嘆く前に、まずはこの「作業手順」をインストールしたか?

ただ漫然と難しい問題を解いて、解説を読んで「わかった気」になっていないか?

もし君が、「解説を読めばわかるが、自分では解けない」という状態なら、それは能力不足ではない。

「正しいメスの入れ方(解法アナトミー)」を知らないだけだ。

我々は、そのメスの持ち方を教える準備ができている。

平均点20点台の試験で、一喜一憂することなく、淡々と合格点を積み上げる側に回れ。

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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