【立命館守山高校】英語大問4(英作文)は「単なる英語力のテスト」ではない。知っている構文への「安全な代入作業」である。

立命館守山高校の英語大問4(英作文)で差がつくのは、頭に浮かんだ「難しい日本語」をそのまま英語に直そうとしないことである 。英単語が出てこないと嘆く受験生が多いが、根本的な原因(ボトルネック)はそこにはない。求められているのは、与えられた状況を、自分が確実に書ける「安全な中学生レベルの基礎文法・構文(安全地帯)」へと落とし込み、ミスなく組み立てる処理手順である

当研究所が過去の立命館守山高校・大問4(2025年〜2020年)を徹底分析した結果、英作文は大きく分けて「①文脈依存型の対話文完成(10〜20語)」と「②テーマ型の自由英作文(40語程度など)」の2パターンに整理され、それぞれに明確な「出題の型」が存在することが判明した

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過去6年間(2025〜2020年)の構造分析データ

以下の表は、各年度の出題に対して当研究所が抽出した「マクロ戦略(全体構造のアプローチ)」と「ミクロ戦略(文単位の変換手順)」の分析結果である。

出題年度出題形式マクロ戦略(全体構造のアプローチ)ミクロ戦略(具体的な変換手順と安全策)
2025年対話文完成前後の文脈(天秤)からの論理の逆算と固定直前の but からマイナス要素を確定 。「スペックが足りない」等を it is really slow 等のシンプルなSVCへ還元
2024年対話文完成質問に対する「回答+理由」の必須要件ロック理由は極力シンプルなSVC・SVO(because I like learning about ~ 等)の固定パーツへ代入
2023年対話文完成理由(抽象)と具体例(動作)の階層的分離「開放的になる」等の情緒的表現を捨て、「外で多くのことができる」という確実な動作・事実(ファクト)へ変換
2022年テーマ型(派生)結論の1文ロックと、ミッシングリンクの補完最初の1文を Because I want to ~. で完全固定 。「外国で働く」などの理由に至る行間をシンプルな文で繋ぐ
2021年複合型語るテーマの極限絞り込み(行事・部活等)と構文の固定得意なことは I am good at ~ing. に代入し 、「期間・行動・相手への問いかけ」で語数を確保
2020年テーマ型3部構成(①夢の宣言 → ②理由 → ③そのための行動)の絶対ロックI want to be a teacher. から始め 、知っている中2レベルの文法だけで論理的なショート・エッセイを構築

徹底解説:立命館守山の英作文を制圧する「2つの型」

過去問の事例から導き出される攻略の「型(手順)」は、主に以下の2点である。

1. 対話文完成型:前後の論理ロックと「情景置換(ファクト変換)」

対話の空所補充では、前後の発言から「書くべき論理」が強制的に決定される。ここで頭に浮かんだ高度な日本語を訳そうとすると、即座に文法破綻を引き起こす。

【決定ルール】:言いたい日本語が浮かんだら、それを「中1・中2レベルの知っている単語だけで表現できる具体的な動作・事実」へパラフレーズ(情景置換)せよ 。例えば、2025年度の「古いPCのマイナス要素」として「スペックが足りない」は書けないが、it is really slow(とても遅い)や it is hard to use(使いにくい)なら安全に書ける。2023年度の「夏が好きな理由」として「開放的になるから」ではなく、I can do many things outside.(外でたくさんのことができる)へと解像度を下げる手順が必須となる 。

2. テーマ・自由英作文型:構成の絶対ロックと「短い宣言+具体化」の処理

30〜40語の自由英作文では、思いついた順に書くと途中で文法が崩壊するか、語数が足りなくなる 。書き始める前に「型」を固定することが最重要である。なお、2022年度や2021年度のように、完全な40語作文ではなく「1文で答える+15〜25語で具体化する」という複合的な派生型も頻出する 。

【決定ルール】:自由英作文は必ず「①主張・結論 → ②理由・客観的状況 → ③具体例・行動」の3部構成の型枠に固定し 、使い慣れた構文に落とし込め。 2020年度の「将来したいこと」であれば、① I want to be a ~.Because ~.I will study hard to ~. という型枠に情報を流し込むだけで、安全かつ論理的な文章が完成する 。2021年度や2022年度の「宣言+具体化」の派生型においても、まずは I am good at ~ing.Because I want to ~. という強力な定型パーツで短い宣言(幹)を作り 、その後に理由や行動(枝葉)を付け足すことで 、確実に得点を積み上げることができる。

結論:才能ではなく、作業である

立命館守山の英作文は、単なる英語力のテストではない。出題者の意図を論理的に読み取り、自分の持つ限られた手札(基礎文法・語彙)の範囲内で、ミスなく情報を組み立てる論理的な「作業」である。これを才能や感覚に頼っているうちは、本番でのスコアは決して安定しない。

今日からすべき具体的なアクションは以下の3点である。

  1. 「安全地帯」のストック構築: 自分が確実にミスなくスペルを書けるテーマ(特定の部活、行事、趣味)と、その定型文をあらかじめ3パターン以上用意しておく 。
  2. 直訳の禁止と「機能的ファクト」への変換: 日本語で思いついたアイデアを英語にする前に、必ず「もっと簡単な別の日本語(誰が・どうする)」に言い換える癖をつける 。
  3. 構成の事前ロック: テーマ型英作文が出た瞬間、問題用紙の余白に「①主張・②理由・③具体例」のプロットをメモし 、それ以外の余計な情報は一切書かないと決断する。

これらの手順を自分一人で、かつ初見の問題に対して正確に実行できる受験生は極めて稀である。自己流の限界を感じたならば、プロによる戦略的介入を検討すべきだ。

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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