英語の長文読解において、文章を単なる英単語の羅列として捉えるか、筆者や登場人物の考えがどのように変化していく流れとして捉えるかで、読みの精度は大きく変わる。
とくに香川県公立高校入試の大問3・4では、スピーチや物語文を通じて、具体例、理由説明、追加情報、心情変化を正確に追う力が問われる。英文では、重要な内容に対して後ろから説明や具体例が加わることも多い。そのため、語順や接続表現を手がかりに、どこが主張で、どこが説明なのかを区別する手順が重要である。
ただし、テーマや背景知識を知っているだけでは、入試本番で正答を導き出すことはできない。本番の限られた時間内で正確に解答の根拠を特定するためには、客観的な「思考手順」の言語化が不可欠である。
以下は、香川県公立入試(英語)の過去問データから抽出した、大問3・4の文意把握および設問処理の要となる語彙・構文の解剖リストである。
| 英単語/熟語/構文 | 品詞 | 日本語の意味 | 備考(出典・文脈・テーマなど) |
| tell A to V | 構文 | AにVするように言う | 並べ替え(take A to Bとの二段構造) |
| take A to B | 熟語(動詞句) | AをBへ連れて行く | 移動の伴う動作 |
| because S V | 接続詞 | なぜならSがVだから | 因果関係の提示・理由説明【論理マーカー】 |
| not only A but also B | 構文 | AだけでなくBも | 並べ替え・並立・情報の追加【論理マーカー】 |
| such as ~ | 熟語(前置詞句) | 〜のような | 具体例の提示 |
| be written in both A and B | 構文 | AとBの両方で書かれている | 英作文の構成要素 |
| For example | 熟語(副詞句) | 例えば | 具体例の提示【論理マーカー】 |
| Actually | 副詞 | 実は、実際には | 補足・事実の提示。直前の理解を具体化または修正する【論理マーカー】 |
| At first | 熟語(副詞句) | 最初は | 時間的な対比の起点【論理マーカー】 |
| However | 副詞 | しかしながら | 逆接・事態の暗転【論理マーカー】 |
| As a result | 熟語(副詞句) | その結果として | 選択肢・因果関係【論理マーカー】 |
| try something new | 熟語(動詞句) | 何か新しいことに挑戦する | 心情・行動の変化 |
| get interested in ~ | 熟語(動詞句) | 〜に興味を持つようになる | 状態の変化 |
| carve stone | 熟語(動詞句) | 石を彫る | 新しい作品への広がり |
| express one’s feelings | 熟語(動詞句) | 自分の気持ちを表現する | 記述問題の正答要素 |
| think about people who will use it | 構文 | それを使う人のことを考える | 物語の核心・テーマ |
| have the power to V | 構文 | Vする力がある | 主題のまとめ(結論) |
【香川県公立英語・大問3・4】論理マーカーによる状況変化の追跡
【物語文】接続詞・副詞が導く「状況・心情の変化」の型
入試問題において、At first(最初は)や However(しかしながら)といった語彙は、単なる英単語としての暗記対象ではない。これらは、登場人物の心情や状況が転換することを示す「論理マーカー」として機能する。
【決定ルール】 At first を見た瞬間、過去の認識と現在の事実が対比される構造を予測し、その後の文脈の「状況の変化」を客観的にマーキングせよ。
2025年大問4では、Hanaが最初は水彩画を描くつもりだったが、展覧会で立体作品に関心を持ち、石を彫る作品へ挑戦する流れが描かれている。この場合、At first や get interested in、decide to が、心情と行動の変化を追う手がかりになる。
一方、2026年大問4では、Shotaがベンチを作った後、However を起点として「思ったように使われない」という問題が提示される。その後、使う人の意見を聞くことで、「ものを作ることは人をつなげる力を持つ」という主題へ到達する。
つまり、物語文では、最初の行動、問題の発生、他者の意見、気づき、結論という順に状況が変化する。この流れを本文中の接続表現や動詞から追うことが、内容一致問題や記述問題の根拠を見つけるうえで重要である。
【長文読解】具体例と情報の追加を処理する「主張と例の分離」の型
For example(例えば)や not only A but also B(AだけでなくBも)といった表現は、筆者の主張や登場人物の考えを補強・拡張するための強力なツールである。
【決定ルール】 For example や not only A but also B を見つけたら、情報が追加される合図と捉え、「大事な主張」と「それを支える例」に分けて読む手順を実行せよ。
For example が出現した場合、その後に続く情報は、直前の大きな内容を説明する具体例として整理する。具体例を一つ一つ暗記しようとするのではなく、「何を説明するための例なのか」を確認することが重要である。
また、not only A but also B のような表現は、情報が一方向に追加・拡張される合図である。2025年大問3では、栗林公園が日本国内だけでなく海外でも知られていることを示す構造として出題されている。こうした表現を見つけたら、「AだけでなくBも」という追加関係を正確に押さえ、設問で問われている中心部分を素早く取り出す必要がある。
【英語長文読解の結論】多読やフィーリングではなく「手順の徹底」である
英語の長文読解において、「ひたすら長文を読んで慣れる」「単語をつなぎ合わせてフィーリング(語感)で読む」といった曖昧な感覚に頼るアプローチは、上位校を目指す上では重大な失点パターンとなる。合否を分けるのは、単語力に頼った力技や感覚ではなく、構文と論理マーカーに基づき淡々と「正しい型(手順)」を適用する徹底力である。
今日から以下の手順を日々の学習アクションとして組み込むこと。
- 文脈を転換・進行させる論理マーカー(
However、At firstなど)に印をつけ、前後の「状況の変化」を視覚化する。 - 具体例(
For exampleなど)や追加情報(not only A but also Bなど)のマーカーを見つけ、「大事な主張」と「それを支える例」を区別して情報を整理する。 - 設問の根拠となる一文を特定する際、曖昧な日本語訳に頼るのではなく、構文の型に当てはめて客観的に処理する。
英単語の丸暗記や漫然とした過去問演習といった自己流の学習だけでは、出題の真の構造や自身に不足している処理手順へは気づきにくい。客観的な分析に基づき、正しい思考の型を構築することが合格への最短経路である。

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