弘前大学英語第2問(要約問題)の攻略は、「英文を頭からきれいに直訳していくこと」ではない。本文中のエピソードや具体例を整理し、筆者の論理の骨格だけを抽出して再構成する作業である。
当然ながら、関係代名詞の正確な処理や、文脈に応じた語彙の理解といった基礎知識は不可欠である。しかし、一文一文をきれいに訳できたとしても、それらを順番に並べるだけでは、弘前大学が指定する「400字程度」の答案としては不十分になりやすい。必要なのは、どの情報が具体例で、どの情報が筆者の主張なのかを判断する処理手順である。
2025年弘前大学英語第2問を構造分解すると、記述問題で問われている力は以下のように整理できる。
弘前大学 英語・第2問 設問処理パターン
| 設問 | 問われている内容 | 解法の型 | 失点しやすいポイント |
| 第2問 | 400字程度の日本語要約(無礼さの伝染とその対処法) | 【具体例選別の型】 | 具体的なエピソードの記述に文字数を費やし、結論の要素が不足する |
上記の分析から、弘前大学の要約問題を突破するために最も重要なアプローチについて解説する。
弘前大学・英語:400字日本語要約の処理
【具体例の選別】枝葉のエピソードを切り捨てる手順
2025年度の第2問では、「SNSの影響による無礼さの伝染と、その連鎖を断ち切るための正しい対処法」に関する論説文が出題された 。
この長文の大きな特徴は、前半部分に「ある医師が列車内で大声で話す乗客に憤慨し、その様子をSNSに投稿したエピソード」や、後半部分に「他人の無礼に対する仕返しの例として、車の窓にフライドポテトをこすりつける調査結果」など、非常に具体的で印象的なストーリーが配置されている点である 。
要約に慣れていない受験生は、こうしたエピソードの面白さに目を奪われ、日本語訳を作る際にこれらの内容を細かく記述しようとしてしまいがちである。これが、本問における最大の失点パターンとなる。
物語的な具体例は、筆者の主張を補強するためのパーツであり、要約答案では原則として細部まで書く必要はない 。具体例そのものを詳しく説明するのではなく、そこから導かれる一般的な主張へ抽象化して書く必要がある。
- 決定ルール1: 固有名詞、場所、個別の出来事、具体的な嫌がらせの手段などが詳しく書かれている部分は、原則として「具体例」と判断する 。要約答案ではその細部をそのまま書くのではなく、余白に「例」とメモを残すなどして、答案への混入を防ぐ。
- 決定ルール2: 抽出する要素は、まず「①問題提起」「②仕組み」「③解決策」の3つに分ける 。今回であれば、以下の3点が答案の骨格になる 。
- ①問題提起: 現代はソーシャルメディアの影響もあり、他者の無礼な振る舞いが連鎖しやすい時代であること 。
- ②仕組み: 無礼さはウイルスのようであり、他人の無礼な行動を目撃するだけで、人も無礼・攻撃的になりやすいこと 。
- ③解決策: 連鎖を断ち切るには、遠くから報復するのではなく、本人に直接向き合い、礼儀正しく冷静にやめるよう伝えること 。
今回のように解決策が本文の結論になっている場合は、答案の後半でその内容を丁寧に書く必要がある 。筆者の結論や提案に十分な文字数を残せるよう、前半の問題提起部分は短く整理する手順を徹底したい。
結論:才能ではなく「作業」である
要約問題で過不足のない美しい答案を作成するのは、文章のセンスではなく、ルールに基づいた「情報の仕分け作業」である。自己流の用語・公式暗記や、頭から順番に訳していくやり方だけでは、情報の重要度の強弱が見えにくくなり、最も書くべき結論部分が枠に入り切らなくなる。
弘前大学の要約問題で得点を安定させるために、今日から以下の3つの手順を徹底してほしい。
- 「具体例」と「主張」の二色色分け: 過去問や模試の長文を解く際、筆者の主張が一般化されている文と、個別のエピソードを述べている文を、客観的に色分けして視覚化する練習をする。
- 論理構造シートの作成: いきなり400字の文章を書き始めるのではなく、まずは「問題点」「仕組み」「解決策」の3つのボックスを用意し、それぞれに該当する要約パーツを箇条書きで抜き出す。
- 結論への文字数配分: 本文の結論にあたる「解決策」を丁寧に記述するため、前半の具体例やエピソードは極限まで抽象化・短縮し、後半に文字数の余裕を残す。
この手順を守ることで、どのような要約問題が出題されても、要素を外さない再現性の高い答案を構築できるようになる。

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