【2025-2026年度】東京大学英語 必須語彙・熟語・構文|長文読解と英作文を貫く論理の型

東大英語の攻略は、「帰国子女のような語学センス」や「フィーリングによる多読」ではない。客観的な「論理マーカーによる文と文の関係の特定」と、日本語の裏にある「ファクト(事実)の抽出・変換」である。

もちろん基礎的な語彙や文法知識は不可欠だが、単語帳を丸暗記し、左から右へ適当に訳し下すだけの自己流アプローチでは、東大が要求する情報処理レベルには到底届かない。

例えば、2025年第5問の物語文(筆者とラマダーンの体験)において、筆者の背景に過剰に感情移入し「困難を乗り越える美談」としてフィーリングで読もうとすると、設問の要求を確実に見誤って失点パターンに陥る。ここで読み取るべきは漠然とした感情ではなく、「医学的理由により断食が免除され、代わりに寄付という行動を選ぶ」という客観的なファクトである。物語文であっても心情をフィーリングで推測するのではなく、本文中の「行動・発言・身体状態・状況の変化」を根拠に特定することが求められる。

曖昧なセンスへの依存を捨て、構造を冷静に解剖する独自の型(手順)を提示する。以下は、当研究所が直近の東大入試から抽出した、文脈の骨格を決定づける重要語彙と論理マーカーの主要項目である。

目次

重要語彙・構文の主要項目(2025-2026年度)

英単語/熟語/構文品詞日本語の意味備考(出典・文脈・テーマなど)
psychoanalysis名詞精神分析2026年第1問(A):フロイトの文脈における主題。
repertoire名詞レパートリー、範囲2026年第1問(B):人間の心が持つ概念の多様性。
manipulate動詞操縦する、巧みに扱う2026年第4問(B):システムによって人が騙される文脈。
distinct from熟語~とは明確に異なる2026年第4問(A):役割や機能の分離を示す。
conflict with動詞句〜と衝突する、矛盾する2025年第1問(A):科学の進歩と文化的理解との対立。
articulate動詞はっきりと表現する2025年第1問(B):思考を明確な形にする言語のシステム。
consensus名詞合意、意見の一致2025年第4問(A):プレイヤー間におけるルールの合意形成。
censorship名詞検閲2025年第4問(B):発言や文学に対する情報統制。
channel A into B動詞句AをBに向ける2025年第5問:信仰心(devotion)を寄付(charity)へ変換する物理的行動。
although SV, SV接続詞〜であるにもかかわらず2026年第4問(B):譲歩を示し、主節の逆接的な事実を強調する。【論理マーカー】
Indeed,副詞実際、実に、確かに2026年第4問(A):前述の主張をさらに強調・補強する。【論理マーカー】
unless SV接続詞~でない限り2026年第5問:例外条件を示す。否定の論理展開を伴う。【論理マーカー】
Thus, SV副詞したがって、それゆえに2025年第1問(B):先行する事実から必然的な結果を導く。【論理マーカー】
Instead, SV副詞その代わりに2025年第5問:前述の行動を採用せず、代替となる行動を提示する。【論理マーカー】

【東京大学 英語 長文読解・要約】論理マーカーを起点として「文と文の関係」を特定する型

長文読解において、接続詞や副詞を単なる「つなぎ言葉」として読み流してはならない。構造把握の際は、論理接続の副詞をいったん文頭に置いて前後関係を確認するとよい

ただし、すべての論理マーカーが文脈を反転させるわけではない。表現ごとに機能を厳密に区別する必要がある。

  • Indeed は、前述の主張を補強・具体化する。
  • Yetalthough は、前提から通常予想される結果と、実際の事実とのずれを示す。
  • Instead は、直前の行動や選択を採用せず、代替となる行動を提示する。
  • Thus は、先行する理由・事実から結論を導く。
  • unless は、「〜でない限り」という否定条件を設定する。

マーカーを見つけたら、「状況が変化したか」だけを見るのではなく、前後の関係が「補強・対比・譲歩・代替・結論・条件」のどれに当たるかを客観的に分類することが重要である。

【要約】情報のトリアージと一般化の型

要約問題(第1問Aなど)において、従属節や具体例を機械的に削除してはならない。まず、各情報が「筆者の中心主張」「因果関係」「対比」「条件の維持」に必要かを確認する手順を踏むこと。そのうえで、単なる反復説明や細かな具体例は一般化し、中心命題とそれを支える最低限の論理関係のみを解答の骨格として残すことが求められる。

【東京大学 英語 和文英訳】前処理として日本語を「書ける事実」へ言い換える「和文和訳」の型

東大の和文英訳では、日本語の比喩や抽象的な表現をそのまま英語へ直訳しようとすると、構文が不安定になり致命的なミスを招きやすい。そこで、英訳の前に日本語を意味の明確な「事実」へ言い換える前処理(和文和訳)を行う。

例えば、「〜のすばらしさ」といった表現は、文脈に応じて how + 形容詞 + S + V の形へ展開できる。また、複雑な因果や責任の所在を表す場合には、be responsible for ~ を用いて主語の状態(SVC)として表現する方法もある。

ただし、すべての日本語を機械的にSVCへ変換する必要はない。SVO、SVC、無生物主語、形式主語など複数の構造のストックから、自分が正確に書け、かつ原文の論理や意味を損なわない構造を冷静に選ぶことが重要である

結論と今後の学習アクション

東大英語の突破において合否を分けるのは、生まれ持った語学センスや漠然とした読書量などではない。「正しい型(手順)」の徹底である。自己流の多読や、単語帳の丸暗記といった漫然とした過去問演習だけでは、出題の真の構造や自身に不足している処理手順の欠陥へ気づきにくい。

今日から直ちに以下の手順を日々の学習に組み込むこと。

  1. 論理マーカーの機能分類: 英文を読む際、ディスコースマーカー(接続詞・論理副詞)を単語として追うのではなく、前後の関係が「補強・対比・譲歩・代替・結論・条件」のいずれであるかを必ず特定すること。
  2. 根拠に基づく心情把握: 物語文を読む際、自身の感情で展開を予想するのではなく、登場人物の「行動・発言・身体状態」という客観的なファクトのみを根拠に心情を定義づけること。
  3. 英訳前のファクト変換(和文和訳): 和文英訳の際、いきなり英単語を並べるのではなく、日本語の情緒的表現や比喩を「誰もが誤解なく理解できる物理的な動作や事実」へ変換してから、最も安全な構文(SVO, SVCなど)に当てはめること。
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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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