【2027年度予想】岩手県公立高校入試・理科(2012〜2026年分析)|全15か年の出題履歴検証から導く4分野の重点領域と共通解法

目次

15年間の出題履歴から何が分かるのか

2012年度から2026年度までの15か年(全99大問・477設問・571解答単位)にわたる岩手県公立高校入試・理科の全設問データを追跡すると、年度によって実験の題材や地域素材の設定は変化する一方で、差分・比例・折れ点を扱う定量実験問題を中心に、正解を導くために必要な「測定値からの変化量(差)の抽出」「折れ点(反応限界や運動変化点)の特定」「基準となる比や基準面との照合」といった中心的な処理手順には、複数年度にまたがる明確な共通性が確認できる。

用語や公式を個別に暗記しているだけでは、本番の実験考察問題、方眼上の作図問題、論理的な短文記述問題には対応できない。入試本番で確実に得点するためには、問題文や図表の条件をどの順序で確認し、どの処理を選択するかという再現可能な思考手順を身につける必要がある。

本記事では、まず2012〜2026年度の確定出題履歴から導かれる2027年度入試の試験形式の見通しと、4分野で優先して点検すべき「重点学年・領域」の大枠を提示する。続いて、その分析根拠となる15か年の出題傾向、全99大問の年度別出題データ一覧、および定量実験問題に応用できる分野横断の共通解法手順を詳しく解説する。

1. 【結論】2027年度 岩手県公立高校入試・理科|試験形式の見通しと4分野の重点学年枠

2012〜2026年度の15か年の出題履歴から導き出された、2027年度の試験形式の見通しおよび大問(4分野の単元大問+総合融合大問)で優先して対策すべき重点学年枠は以下の通りである。

2027年度の試験形式の見通し

  • 大問構成と分野配置の定着: 2020年度までの7大問制から、2021年度に全6大問制へ移行した。2021年度(総合融合大問なし・地学2題)を経て、直近の2022〜2026年度の5年間はすべて「大問1(4分野小問8問)+ 物理・化学・生物・地学の単元大問(各1題)+ 複数分野の総合融合大問(1題)」の6大問構成で定着している。総合融合大問は2022〜2024・2026年度が4分野融合、2025年度が3分野融合(地学・物理・生物)となっている。
  • 設問数・解答単位数: 15年間の設問数は31〜32問(直近6年間は31問または32問)、独立解答単位数は34〜44単位で推移している。短文記述問題は年平均4.0問(各年度3〜5問、15年計60問)、作図・グラフ作成問題は各年度1〜3箇所(15年計21箇所)出題されており、2027年度もこの出題形式が維持される可能性が高い。

直近3か年(2024〜2026年度)の大問出題推移と2027年度の重点学年枠

(※表中の「未消化領域」とは、直近数か年の大問において中心テーマとして扱われていない単元・実験領域を指す)

分野(対象大問)2024年度の大問中心テーマ2025年度の大問中心テーマ2026年度の大問中心テーマ2027年度に優先点検すべき重点学年枠
物理
(単元大問/融合)
【中3】物体の運動
記録タイマーのテープ処理・台車とおもりの等速直線運動・摩擦力
【中2】電流と電圧・熱量
オームの法則・抵抗器の直列並列回路・電力量・テーブルタップの許容電流
【中2】電流と磁界
磁界中のコイル・電磁気力・簡易モーターの整流作用と回転
【最重点】中3物理(斜面・レール上の運動と力学的エネルギー・仕事)
および 中1物理(力と圧力・水圧と浮力の定量実験)の未消化領域
(※併せて中1光の屈折・凸レンズ実像作図、音の波形計算を点検)
化学
(単元大問/融合)
【中2】化学変化と物質の質量
鉄と硫黄の化合・硫化鉄の性質・質量の割合(定比例)と過不足計算
【中3】酸とアルカリ・中和
硫酸と水酸化バリウムの中和・沈殿質量グラフ作図・混合廃液の中和計算
【中1】状態変化と蒸留
水とエタノール混合物の蒸留・蒸気温度グラフ・留出液の密度比較
【最重点】中2化学(物質の熱分解・電気分解、酸化還元と過不足計算)
および中3化学(水溶液とイオン・化学電池・イオン化傾向)の未消化領域
(※併せて中1溶解度曲線・再結晶の計算を点検)
生物
(単元大問/融合)
【中1・中2】植物のつくりと蒸散
アジサイとトウモロコシの葉の表裏ワセリン蒸散実験・維管束と気孔分布
【中3】生殖と遺伝
メンデルのエンドウ交配実験・モデル実験・分離の法則と孫の遺伝子型比
【中2】動物の分類と進化
セキツイ動物5類の比較表・相同器官・4種の二叉分類フローチャート
【最重点】中2生物(動物のからだのつくりとはたらき:消化・吸収、血液循環、呼吸・排出)の未消化領域
(※併せて中1・2植物の光合成・呼吸の対照実験、中3細胞分裂を点検)
地学
(単元大問/融合)
【中1】大地の変化(火山・地層)
火山灰の観察・無色鉱物とマグマの粘り気・鍵層・露頭と示準化石
【中3】地球と宇宙(太陽)
太陽の黒点観察・自転・透明半球上の秋分の日の太陽経路作図・南中高度
【中2】気象とその変化
乾湿計による湿度・水蒸気量・露点計算・寒冷前線通過時の気象変化
【最重点】中1地学(地震の伝わり方・P波S波の速さ計算・初期微動)
および 中3地学(月・金星の満ち欠けと公転、恒星の年周運動)の未消化領域
(※併せて中1柱状図の標高補正と地層の傾斜計算を点検)

※上記の重点学年枠の中での「4分野それぞれの具体的な単元予想順位(第1候補〜第3候補)」「単元・実験テーマ別の詳細な未出年数と選定根拠」「2027年度に狙われる具体的な実験・計算・作図テーマ」については、別途公開予定のnote『2027年度 岩手県公立高校入試・理科|15か年全設問データベースから導く「4分野・詳細出題予想レポート」』にて詳しく整理している。本記事では以下、上記の方向性を導き出した15か年の出題分析と、過去の入試問題から確認できる共通解法手順を解説する。

2. 15か年の出題履歴から確認できた「3つの出題傾向」

市販の過去問集に収録されている直近3〜5年分だけを見て「次はどの単元が出るか」を単純に推測すると、岩手県特有の反復出題の構造を見落とす危険がある。2012〜2026年度の15か年すべての大問・小問テーマを照合すると、次の3つの特徴が確認できる。

① 同一実験テーマの連続出題が確認されなかった事実と「同一学年・別単元」の連続出題

2012→2013年度から2025→2026年度までの隣接する14組の大問中心テーマを照合すると、次の2点が確認された。

  • 分析した15年間では、前年と同一の具体的な実験テーマを中心とする大問が翌年も続けて出題された事例は確認されなかった(14組中0件): たとえば2026年度の大問で出題された「エタノール水溶液の蒸留実験(化学)」「簡易モーターと電流が磁界から受ける力(物理)」「セキツイ動物の分類と相同器官(生物)」「乾湿計と寒冷前線通過の気象観測(地学)」と全く同一の実験設定が、2年連続で大問の中心となった事例は過去15年間の台帳上には存在しない。
  • 一方で、「前年と同じ学年だから翌年は出ない」という学年単位の除外は成立しない: たとえば物理では、2025年度(中2:オームの法則と電力量) に続き、翌2026年度(中2:電流と磁界・簡易モーター) も2年連続で中2領域から出題された。また生物でも、2023年度(中2:光合成の対照実験) と2024年度(中2:蒸散の対照実験) で同じ中2植物領域が連続している。同じ学年であっても「電気回路」と「電流と磁界」、「光合成」と「蒸散」は独立した別単元として扱われているため、学年単位ではなく具体的な実験テーマ単位で出題履歴を確認する必要がある。

② 過年度の実験・設問構造の再登場実績(R1とR2/R3の区別)

出題履歴を精査すると、同一の実験設定・測定操作が反復される「同一実験テーマの再登場(R1)」と、同一単元の知識セット(R2)や共通の思考処理(R3)が異なる実験設定で反復される事例が確認できる。その再登場間隔は一律ではなく、2年、4〜9年、10年、13年など多様な間隔で現れている。

  • 同一実験テーマ(R1)の再登場事例:
    • ワセリン塗布による蒸散量の差分計算(生物): 2014年度・大問2(ホウセンカ1種3本)から10年の空白を経て、2024年度・大問3(アジサイとトウモロコシの2種計6本)に再登場した。
    • 水とエタノール混合物の蒸留実験(化学): 2019年度・大問1(5)(小問での蒸気温度グラフ選択) から7年を経て、2026年度・大問3(単元大問として沸点温度グラフと留出液の密度比較)へ発展して再登場した。
    • 斜面・水平面上の台車・小球の運動(物理): 2014年度・大問4、2018年度・大問5(4年差)、2024年度・大問4(6年差) と、記録タイマーやストロボ写真を用いた等速直線運動への移行解析が反復されている。
    • 水平面を等速運動する物体にはたらく垂直抗力の作図(物理): 2014年度・大問4(3)から7年の空白を経て、2021年度・大問4(3)に接点●を作用点とする上向き矢印作図が再登場した。
    • 水中の物体の浮力測定(物理): 2013年度・大問3から4年を経て、2017年度・大問4に直方体の沈降深さとばねばかり示度の関係解析として再登場した。
    • 減圧容器による雲の発生実験(地学): 2013年度・大問6(2)から4年後の2017年度・大問5(1)(2)、さらに5年後の2022年度・大問5(3) と再登場している。
  • 同一単元・共通知識(R2)の発展的再登場の事例:
    • 硫酸と水酸化バリウムの中和・沈殿(化学): 2012年度・大問2および2017年度・大問3(5年差)では「中性点で不溶性塩($\text{BaSO}_4$)が沈殿し、水溶液中にイオンが存在しなくなるため電流が流れなくなる理由説明」が共通して問われた。一方、それから8年後(2012年度からは13年後)の2025年度・大問3では、同じ硫酸バリウムの沈殿反応を扱いながらも「加えた水酸化バリウム体積と沈殿質量の比例・飽和グラフ作図」および「過不足を伴う混合廃液の中和計算」を求める形式へ発展して出題された。
    • 酸化還元・化合と定比例計算(化学): 2022年度・大問3(酸化銅の炭素による還元と過不足計算) から2年後の2024年度・大問6では「鉄と硫黄の化合」が出題され、題材となる物質を変えながらも定比例の法則に基づく過不足計算の処理構造が引き継がれている。

このように、過去問を検証する際は「過去にどのような実験設定・作図・記述形式で出題されたか」を多角的に把握しておくことが不可欠である。

③ 大問1(小問集合)・総合融合大問と単元大問の出題範囲の比較

岩手県では、大問1(4分野小問8問)に加えて、近年の大問4または大問5に「総合融合大問」が配置されている。15か年の履歴からは、小問集合・融合大問と単元大問の関係について次の特徴が確認できる。

  • 小問集合や融合大問における重要テーマの先行出題: 単元大問としては長期未出となっている領域であっても、小問集合や総合融合大問の中で基本事項や作図が問われるケースがある。たとえば物理の「浮力」は、単元大問としては2017年度以来出題されていないが、2024年度・大問5(5) および2026年度・大問5(7) の総合融合大問内で「水中の物体にはたらく浮力の作図」が続けて出題された。
  • 総合融合大問における「定番処理の流用」: 総合融合大問は初見のテーマ(地域産業、歴史、自然環境)を装っているが、要求される設問処理は「水溶液の濃度計算」「仕事率の計算」「食物連鎖における数量変化の記述」「浮力のつり合い作図」など、単元大問と全く同じ標準的解法で完結する。

3. 出題データと全体構造(2012〜2026年度・全15か年マスター一覧)

2012〜2026年度の15か年(全99大問・477設問・571解答単位)における設問構成の推移と、各大問の出題内容を以下の表に整理する。

年度大問・設問構成(解答単位数・作図・記述数)物理分野(単元大問 / 小問・融合)化学分野(単元大問 / 小問・融合)生物分野(単元大問 / 小問・融合)地学分野(単元大問 / 小問・融合)総合融合大問・過年度2分野融合大問
2012全7大問・32設問
(34単位/作図1/記述4)
【大問4】中1・3 力・斜面上の運動と仕事:垂直抗力作図・等速直線運動・仕事12J
[大問1]音の速さと距離
【大問2】中3 酸とアルカリ・中和:BTB呈色・水素イオン量グラフ・塩の電離性と導電性記述
[大問1]エタノール気化膨張
【大問5】中3 生殖と細胞:コダカラベンケイソウの無性生殖・葉緑体・デンプン貯蔵記述
[大問1]シダ植物ツクシ・腎臓
【大問3】中3 地球と宇宙:衛星画像と夏至・低緯度大気循環・東京の昼15時間・赤道昼夜等長
[大問1]西高東低天気図・水蒸気量比較
【大問6】地×生融合:地層累重・不整合順序・堆積水深・始祖鳥とヒトの相同器官
【大問7】化×物融合:水の電気分解・気体性質・電圧計レンジ・消費電力0.1W
2013全7大問・32設問
(35単位/作図1/記述3)
【大問3】中1 水圧と浮力:浮力計算・体積依存性・水圧深さモデル・水圧差と浮力500Pa
[大問1]輪軸と仕事・慣性の法則
【大問4】中3 イオンと電池:非電解質・水素発生モデル式・起電力差分0.55V
[大問1]ピペット操作・氷の体積密度
【大問2】中3 発生と生殖:カエル胚・呼吸変化・卵割特徴・精子染色体作図
[大問1]小腸柔毛・ひじの筋肉屈曲
【大問5】中3 天体:部分日食と黒点・金星の満ち欠けと公転・火星の真夜中観測記述
[大問1]示準化石フズリナ・花こう岩
【大問6】地×物融合:減圧雲発生モデル・積乱雲・真空放電と電子の性質記述・モーター
【大問7】生×化融合:オオカナダモ光合成呼吸対照実験・濃度計算・酸素性質
2014全7大問・32設問
(40単位/作図3/記述3)
【大問4】中3 運動とエネルギー:ストロボ解析・速さ時間グラフ・垂直抗力作図・最高点力学的エネルギー
[大問1]おんさ波形・モーター回転
【大問5】中2 酸化還元と質量:石灰水逆流防止・炭素還元モデル作図・銅酸化グラフ作図・酸化銅質量計算
[大問1]蒸留沸点
【大問2】中1・2 植物のつくりと蒸散:側根・道管配置・水面油塗布理由・茎蒸散0.5cm³計算
[大問1]体細胞分裂順序・生態系
【大問3】中2 気象と季節風:天気記号・等圧線気圧読解・水槽対流実験・日本海側降雪理由
[大問1]火山噴火鉱物・プレート移動
【大問6】化×物融合:ストロー寒天電気泳動と水素イオン移動理由・計器接続・抵抗200Ω
【大問7】生×地融合:宮沢賢治詩・脊椎動物肺呼吸・ひとみ調節・北斗七星・南中時期
2015全7大問・32設問
(39単位/作図1/記述3)
【大問4】中1・3 力と仕事:力のつり合い・ばね伸びと上昇高・斜面仕事率比較・上昇高0.6m
[大問1]電流と電子向き・凸レンズ実像
【大問3】中1・2 熱分解と過不足:加熱質量減少・炭酸Naアルカリ性・化学式3種・塩酸過不足1.60g計算
[大問1]硫酸電離比
【大問2】中1・3 花と遺伝:減数分裂とDNA・花の輪生順序・孫ヘテロ個数・配偶子遺伝子
[大問1]メダカ変温・タマネギ根伸長
【大問5】中1 地震:地震計記録原理・初期微動継続時間・S波走時直線作図・速報到達距離24km
[大問1]寒冷前線・地球自転公転向き
【大問6】生×物融合:呼吸と燃焼共通性・肺胞表面積利点記述・呼吸模型ボトル内圧・損失熱量計算
【大問7】地×化融合:8惑星物性散布図・土星浮遊理由・水素性質・水液体存在条件記述
2016全7大問・32設問
(34単位/作図2/記述5)
【大問5】中2 回路と発熱量:計器接続・並列電流電圧グラフ作図・50Ω回路図作図・直列発熱理由
[大問1]ガラス屈折・振り子エネルギー
【大問3】中1・3 混合物分離と電気分解:塩化銅電離モデル・Mg塩酸反応式・ガラス粒ろ過・密度計算
[大問1]ヘリウム構造・カルメ焼き分解
【大問2】中2 消化と排出:アミノ酸アンモニア尿素経路・40℃湯理由・ベネジクト反応・半透膜対照選択
[大問1]顕微鏡操作・カエル染色体
【大問4】中3 宇宙と公転:惑星定義・金星木星スケッチ・しし座公転位置・地軸傾きなし季節消失理由
[大問1]冬型天気図・安山岩斑状組織
【大問6】地×生融合:柱状図傾斜判定・示相化石・炭素循環有機物移動・陸上脊椎動物進化記述
【大問7】化×物融合:アンモニア発生捕集・アルカリ性・吸盤大気圧理由・水面大気圧質量51kg
2017全7大問・32設問
(35単位/作図2/記述4)
【大問4】中1 浮力と水圧:浮力計算・水没体積依存性・面C水没深さ3cm・沈降深さとばね値グラフ作図
[大問1]コイル磁界ア
【大問3】中3 中和とイオン:発熱反応選択・中和完了滴下回・硫酸Ba反応式・イオン消失無通電理由
[大問1]物質密度比例・ガスバーナー点火
【大問2】中2 骨格と進化:レントゲン写真セキツイ動物・クジラ相同骨作図・軟体動物・外骨格機能記述
[大問1]イネ胚珠・ジャガイモ無性生殖
【大問5】中2 気象と前線:減圧膨張・断熱冷却・雲断面模式図・風向回転と低気圧通過経路判定
[大問1]チャート硬度・砂岩泥岩粒径
【大問6】地×物融合:太陽黒点移動と自転・球形・放射・ソーラークッカー熱量245J計算
【大問7】生×化融合:気孔・酸素線香確認・BTB中和水酸化K・光合成CO₂消費緑色理由
2018全7大問・31設問
(39単位/作図2/記述4)
【大問5】中3 運動と仕事:斜面重力分力作図・平均速さ・ものさし衝突仕事計算・傾角大の速度グラフ
[大問1]凸レンズ実像・モノコード高音
【大問3】中2 酸化と定比例:酸化銅黒色・化合モデル・質量一定化合比理由・銅3g化合酸素0.75g計算
[大問1]消石灰中和・ボルタ電池モデル
【大問2】中1・3 植物つくりと生殖:双子葉類維管束・顕微鏡ピント順序・花粉管精細胞理由・受精染色体作図
[大問1]反射経路・シマウマライオン視野
【大問4】中3 月と天体運動:月重力1/6・上弦南中午後6時・月東進公転・オリオン座年周運動公転理由
[大問1]露点水蒸気量・小笠原気団
【大問6】地×生融合:ハチュウ類特徴・アンモナイト示準化石・逆断層プレート力・生態系ピラミッド推移
【大問7】化×物融合:炭酸水素Na性質・消費電力80W・熱分解式・電球交換抵抗減発熱理由
2019全7大問・32設問
(40単位/作図1/記述4)
【大問2】中2 電流と磁界:磁針向き作図・誘導電流・磁界不変無通電理由・磁極進行反転電流波形
[大問1]ばねフック・光反射鏡・力学的保存
【大問5】中1 混合物分離:炭素記号・石灰石CO₂・砂糖石灰石同定・デンプン確認と食塩砂糖識別記述
[大問1]蒸留温度グラフ・アンモニア反応式
【大問3】中2 血液循環:心室拍出・肺胞柔毛表面積利点記述・動脈静脈成分・血しょうと組織液
[大問1]細菌類分裂・合弁花タンポポツツジ
【大問4】中3 天体と日時計:日周運動・天の赤道と影期間・自転角速度時計回転補正・夏至日の入り冬至昼長
[大問1]震度階級M・木星型惑星密度
【大問6】生×化融合:師管・だ液腺アミラーゼ・メタン燃焼反応式・バイオマスCO₂不変理由
【大問7】地学単元:砂水比熱対流・南東季節風・台風上陸水蒸気衰退理由・気圧差海面押す力5000N
2020全7大問・32設問
(38単位/作図1/記述5)
【大問4】中1 圧力と力:重力底面不変・垂直抗力作図・底面積深さ反比例グラフ・スキー靴沈降深さ21cm
[大問1]斜面力学的保存・クルックス管
【大問5】中2 燃焼と質量保存:炭スチール燃焼比較・酸化鉄性質・密閉風船吸い込み理由・密閉フラスコCO₂不変
[大問1]エタノール気化膨張
【大問2】中1・3 花と遺伝:胚珠種子・一遺伝子雑種草丈・孫ホモAA割合25%・相同染色体分離理由
[大問1]無セキツイバッタ・耳鼓膜
【大問3】中3 日食と金星:金星大気温度・内惑星真夜中不可理由・日食天体距離順・太陽相対移動方向
[大問1]三角州扇状地堆積・冷却湿度上昇
【大問6】地×生融合:ルーペ操作・葉緑体細胞壁染色・ミョウバン徐冷結晶・無色鉱物比率白さ理由
【大問7】物×化融合:NaOH濃度算・水電解式・電気化学エネルギー変換・電力量60Jと45J
2021全6大問・31設問
(35単位/作図1/記述4)
【大問4】中3 運動とエネルギー:等速時間0.3s・位置A運動C・垂直抗力作図・低位置ストロボ・速さ低下理由
[大問1]動滑車仕事・電化製品許容電流
【大問3】中1・3 電池とイオン:展性・電解質理由・水素可燃性・亜鉛イオン式・濃度面積対照実験記述
[大問1]アンモニア式・たたら製鉄還元
【大問2】中2 消化と酵素:感覚器官・ベネジクト加熱赤褐色・セロハン膜麦芽糖透過・酵素温度特性記述・アミラーゼ柔毛
[大問1]減数分裂染色体半減・恒温卵生
【大問5】中2 大気圧と前線:手作り気圧計原理・水温密度浮力・寒冷前線通過時刻と断面位置判定
【大問6】中1 地震:断層・規模M性質・初期微動P波速度8km/s・初期微動継続時間D・三平方震央位置b
(※2021年度は総合融合大問がなく、地学分野から大問5[気象]・大問6[地震]の単元大問2題が出題された)
2022全6大問・32設問
(44単位/作図1/記述4)
【大問2】中3 力と仕事:動滑車張力作図・仕事の原理・仕事率3.6W・斜面分力と移動距離
[大問1]オームの法則
【大問3】中2 酸化還元と過不足:酸化銅の炭素還元・化学反応式・石灰水逆流防止理由・過不足未反応銅0.6g
[大問1]密度・炭酸水素Na熱分解
【大問6】中2 動物の分類と外骨格:セキツイ動物5類分類表・相同器官・無セキツイ外骨格・骨格筋肉関節
[大問1]タマネギ細胞分裂・生態系
【大問5】中2 雲の発生と露点(宮沢賢治題材):注射器ピストン減圧膨張・露点温度・水蒸気凝結雲発生理由・湿度水蒸気量計算
[大問1]花こう岩等粒状・浮力水圧
【大問4】4分野総合融合(兄妹の会話題材):2枚の平面鏡による光の反射/顕微鏡観察倍率/食塩水塩酸硫酸識別/エンドウ遺伝形質/金星見かけ大きさ公転理由/オリオン座年周運動/柱状図標高傾斜深さ計算
2023全6大問・32設問
(41単位/作図1/記述5)
【大問5】中2・3 電流と仕事:電磁誘導検流計・磁界の向き・モーター引き上げ仕事率・斜面引き上げ仕事
[大問1]音の波形振動数
【大問6】中3 イオンと電池:イオン化傾向・ダニエル電池電極反応・亜鉛板銅板電子移動・ビニール袋仕切り理由
[大問1]ワイン蒸留沸とう石・酸化鉄
【大問2】中2 光合成と呼吸:オオカナダモBTB対照実験意義記述・CO₂吸収アルカリ性理由・気孔蒸散
[大問1]植物分類・生殖細胞染色体
【大問3】中2 気象と台風:低気圧風吹き込み・天気図記号作図・風向気圧変化台風経路判定・水蒸気量差計算
[大問1]火山灰鉱物・日周運動時刻
【大問4】4分野総合融合(時計の歴史題材):日時計南中高度/水時計水圧水深理由/ろうそく状態変化/鳥類ハチュウ類進化相同器官
2024全6大問・32設問
(39単位/作図1/記述4)
【大問4】中3 運動と力:記録タイマー等加速度・等速運動移行理由・摩擦力・木片衝突仕事と速さグラフ
[大問1]電気器具発熱量
【大問6】中2 化学変化と定比例:鉄と硫黄の化合・硫化鉄塩酸反応・化合質量比7:4・未反応鉄残存計算
[大問1]炭酸水素Na熱分解・電池電離
【大問3】中1・2 植物つくりと蒸散:アジサイとトウモロコシのワセリン蒸散実験・気孔分布・蒸散しおれ理由
[大問1]被子植物花胚珠・セキツイ動物
【大問2】中1 火山灰と地層:火山灰鉱物・マグマ粘り気・鍵層理由記述・露頭傾斜・示準化石
[大問1]偏西風・日周運動透明半球
【大問5】4分野総合融合(ホッキョクグマ題材):毛の乱反射/肉食草食の視野/食塩水濃度計算/凍ったペットボトル浮遊理由(密度)/浮力重力つり合い作図/表面積冷却対照実験/白夜と日周運動/地球温暖化
2025全6大問・31設問
(41単位/作図2/記述4)
【大問5】中2 回路と電力量:電圧計接続・オームの法則・並列合成抵抗・電力量計算・テーブルタップ許容電流理由
[大問1]浮力・振り子力学的エネルギー
【大問3】中3 中和と沈殿:硫酸+水酸化Ba・BaSO₄沈殿質量グラフ作図・未反応中和追加体積計算・廃液中和
[大問1]塩化銅電気分解
【大問6】中3 遺伝の規則性:メンデルエンドウ交配・分離の法則記述・孫Aa割合・モデル実験確率計算
[大問1]消化酵素・血液循環
【大問2】中3 天体と太陽:黒点温度低い理由・透明半球秋分太陽経路作図・南中高度計算・自転周期
[大問1]寒冷前線・海陸風
【大問4】3分野総合融合(火星移住題材):火星大気二酸化炭素/火星重力ばねばかり示度/温度差空気対流/光合成化学反応式係数/流水侵食運搬/密閉生態系分解者役割記述
2026全6大問・32設問
(37単位/作図1/記述4)
【大問6】中2 電流と磁界:右ねじ磁界・磁石反転回転逆記述・整流子ブラシ働き・回転速度増加条件
[大問1]クルックス管陰極線・凸レンズ虚像
【大問3】中1 状態変化と蒸留:エタノール蒸留・沸点温度グラフ・二酸化炭素確認・留出液密度濃度比較記述
[大問1]中和反応・溶解度再結晶
【大問2】中2 動物分類と進化:セキツイ動物5類分類表・シソチョウ相同器官・カモノハシ・4種二叉分類
[大問1]光合成呼吸・細胞分裂染色体
【大問4】中2 気象と露点:乾湿計湿度・露点計算・寒冷前線通過3要素記述・通過後風向反時計判定
[大問1]火成岩無色鉱物・地震P波初期微動
【大問5】4分野総合融合(南部鉄器・たたら製鉄題材):たたら製鉄還元/酸化鉄イオン比/鉄比熱温度計算/水中荷物浮力作図/木炭消費植物生態系変動記述
15年計全99大問・477設問
(571単位/作図21/記述60)
物理単元大問:15大問化学単元大問:15大問生物単元大問:15大問地学単元大問:17大問
(※2019大問7・2021大問6含む)
2012〜2020年2分野融合大問:17大問
2022〜2026年総合融合大問:5大問
大問1(小問集合):15題

4. 過去15か年の入試問題から確認できる「大問1(小問集合)」と「総合融合大問」の定番処理

岩手県の理科では、大問1(小問集合)と、大問4または大問5に配置された総合融合大問において、単なる用語暗記にとどまらない「実験・観察器具の正しい操作」「測定値の単位換算」「標準的な物理・化学計算」が継続して出題されている。

大問1・総合融合大問で繰り返し問われている代表的な処理

  • 物理分野(小問・融合):
    • 光の屈折作図と凸レンズの像・鏡の反射: 直方体ガラスを通る光線の屈折(2016年・大問1(7))、2枚の平面鏡による光の反射(2022年・大問4(1))、および凸レンズの実像(2015年・大問1(8)、2018年・大問1(7))と虚像(2026年・大問1(7))の作図・性質判別。
    • オシロスコープ波形の読み取りと音の速さ: 横軸の目盛り数から周期を読み取って振動数($\text{Hz}$)を逆算する処理(2014年、2023年)、および花火の開花や雷の発生からの距離計算(2012年)。
    • 力の方眼マス目換算と浮力の矢印作図: $1\,\text{N}$ あたりの目盛り数を確認し、重力・垂直抗力・浮力のつり合い矢印を正確な長さで作図する処理(2024年・大問5(5)、2026年・大問5(7))。
  • 化学分野(小問・融合):
    • 水溶液の質量パーセント濃度と溶解度曲線(再結晶): 溶液質量と溶質質量から濃度を求める基本計算(2024年・大問5(3))、および温度降下に伴う析出結晶の質量計算(2013年、2020年、2026年・大問1(1))。
    • 状態変化における質量・体積・粒子の運動: 密閉ポリエチレン袋に入れたエタノールが熱湯で膨らむ際、分子の質量や大きさは変わらず運動が活発になって間隔が広がる原理の選択(2012年、2020年)。
    • 化学反応式・イオン式の完成: 原子の種類と数を両辺で一致させる係数決定、および電離モデルの選択(2016年、2020年、2024年、2025年・大問4(4)、2026年)。
  • 生物分野(小問・融合):
    • 脊椎動物5類および無脊椎動物(節足・軟体)の分類・生態比較: 体表、子の生まれ方、体温調節、呼吸器官の共通点・相違点をマトリクスで判別する処理(2012年、2017年、2021年、2022年、2026年)、および肉食動物と草食動物の視野の特徴比較(2024年・大問5(2))。
    • 花のつくりと受粉後の変化・減数分裂: 胚珠 $\rightarrow$ 種子、子房 $\rightarrow$ 果実の発達対応、および減数分裂による染色体数の半減と受精による復帰(2014年、2015年、2020年、2021年、2026年)。
    • 生態系における分解者と炭素の循環: 生産者・消費者・分解者の間を移動する有機物(炭素)の流れ(2014年、2018年)、密閉生態系における分解者の役割記述(2025年・大問4(6))、および食べる側・食べられる側の数量変動サイクルの記述(2026年・大問5(8))。
  • 地学分野(小問・融合):
    • 等圧線の読解と風向・風力・天気記号: 太線(20hPa)と細線(4hPa)からの気圧読み取り、および16方位・風力羽の作図(2014年、2023年)。
    • 乾湿計の読み取りと飽和水蒸気量表の処理: 乾球温度と湿球温度の示度差から湿度表を用いて湿度(%)を読み取る処理と、飽和水蒸気量表を用いて空気$1\,\text{m}^3$中の水蒸気量や露点を算出する処理(2012年、2022年、2023年、2026年)。
    • 天体の日周運動・年周運動の角度・時刻逆算: 地球の自転(1時間15度)と公転(1か月30度=同じ位置に見える時刻が1日約4分、1か月で約2時間早まる)に基づく南中時刻や観測位置の計算(2018年、2019年、2022年、2025年)、および高緯度地域における白夜と太陽の日周運動の解析(2024年・大問5(7))。

初見問題に応用する4段階の解法:変化量(差)の抽出と基準比への換算

岩手県の理科において、差分・比例・折れ点を扱う定量実験問題(化学の過不足計算、物理の力・運動・浮力、地学の湿度・水蒸気量計算など)では、「表の数値をそのまま公式に代入するのではなく、前後の差(実質変化量)を取り出し、基準となる比や境界値と照合する手順」が繰り返し合否を分けている。

  • 第1段階:比較の土台(基準量・単位)を確定する グラフの縦軸・横軸の項目名と1目盛りの値を確認する。「水深」ではなく「水没深さ」になっていないか、方眼1マスが何ニュートン(N)に相当するか、単位が $\text{mA}$ か $\text{A}$ か、$\text{cm}^3$ か $\text{m}^3$ かを最初に特定する。
  • 第2段階:実質変化量(差・引き算)を抽出する 測定値の絶対値ではなく、前後の差分を取り出す。
    • 化学反応:加熱前後の質量差から「結びついた酸素の質量」や「逃げた二酸化炭素の質量」を求める。
    • 蒸散実験:表塗り・裏塗り・無塗布の減少量から引き算で各部位の蒸散量を求める。
    • 浮力測定:空気中の重さから水中のばねばかり示度を引いて「浮力の大きさ」を求める。
  • 第3段階:基準比・境界値(折れ点)を特定する 反応や運動が切り替わる境界を確定する。
    • 化学変化:薬品を追加しても気体発生や沈殿生成が増加しなくなる「完全反応点(折れ点)」を特定し、過不足のない反応比(定比例)を導く。
    • 運動解析:おもりが床に着地して加速から等速直線運動へ切り替わる瞬間を特定する。
    • 地層対比:複数地点の柱状図において、同時期に堆積した鍵層(凝灰岩層)の標高面を確定する。
  • 第4段階:設問が要求する最終形式・単位で出力する 問われている対象が「反応した量」か「残った未反応の量」か、単位が付いているか、指定語句をすべて含んで因果関係が成立しているかを確認して解答を完成させる。

5. 岩手県公立高校入試・理科の対策と学習手順

過去問演習を単なる「〇×の点数出し」で終わらせず、本番の初見問題に対応できる再現性を身につけるために、以下の4つの手順で学習を進めることが極めて効果的である。

  1. 設問要求と解答形式の確定: 問題文の末尾を確認し、「物質名」か「化学式・イオン式」か、「記号」か「数値(単位の有無・四捨五入の桁数指定)」かを最初にマークする。
  2. グラフの目盛り・方眼のマス数換算の指差し確認: 作図問題では、方眼1マスが表す物理量(例:1マス=0.1N)を必ず余白にメモする。力の矢印では「作用点(接触面●)」から描き始めているか、長さ(マス数)がつり合いの条件を満たしているかを点検する。
  3. 対照実験の「統制条件」と「結果の差」の言語化: 実験考察問題では、「何を確かめるための対照実験か(調べたい条件以外をすべて等しく揃える理由)」を常に確認する。
  4. 短文記述の減点要因の点検: 岩手県の記述問題(年平均4.0問)では、指定語句をすべて使い、「〜のため」「〜だから」と文末が問いに対応しているか、数値データを引用して客観的な根拠を示せているかを点検する。

15か年分析から導く学習上の3原則

  • 複数年度で共通して確認できたこと: 測定値の差分(引き算)から実質変化量を取り出す処理、過不足のある化学変化での限界反応量の特定、および方眼上の力のつり合い作図は、年度を超えて繰り返し要求されている。
  • 初見問題にも利用できる手順: 「基準量の確定 $\rightarrow$ 差の抽出 $\rightarrow$ 境界値(折れ点)の特定 $\rightarrow$ 最終要求での出力」という4段階の手順は、配点の高い応用問題で失点を防ぐ共通手順としてそのまま活用できる。
  • 年度によって変わるため固定化すべきでない部分: 「前年に出た学年だから今年は出ない」といった単純なヤマ当ては通用しない。大問1(小問集合)対策を通じて全分野の基礎知識を網羅しつつ、本記事で示した重点単元の過去問を優先して演習し、思考・処理のプロセスを自力で再現できるように仕上げてほしい。
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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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