導入:問題の知的な枠組みと分析軸
2012年度から2026年度までの15か年(全78大問・482設問・704解答単位)にわたる北海道公立高校入試・理科の全設問データを追跡すると、同じ単元からの出題であっても実験の数値設定や図表の形式は年度ごとに変化する一方で、正解を導くために必要な「基準単位への比例換算」や「1つの条件だけが異なる実験ペアの抽出」といった中心的な処理手順には、複数年度にまたがる共通性が確認できる。
単元名や公式、用語を個別に暗記しているだけでは本番の設問には対応できない。入試本番で確実に得点するためには、問題文や図表の条件をどの順序で確認し、どの処理を選択するかという客観的な思考手順を身につける必要がある。
本記事では、まず2012〜2026年度の確定出題履歴から導かれる2027年度入試の試験形式の見通しと、4分野で優先して点検すべき「重点学年・領域」の大枠を提示する。続いて、その分析根拠となる15か年の出題傾向、全78大問の年度別出題データ一覧、および過去の入試問題から確認できる分野横断の共通解法手順を解説する。
1. 【結論】2027年度 北海道公立高校入試・理科|試験形式の見通しと4分野の重点学年枠
2012〜2026年度の15か年の出題履歴から導き出された、2027年度の試験形式の見通しおよび大問(大問2〜大問5:4分野各1題)で優先して対策すべき重点学年枠は以下の通りである。
2027年度の試験形式の見通し
- 大問構成と設問数:2020〜2026年度の7年間は大問1が「12設問(物理3・化学3・生物3・地学3)」で固定され、直近の2022〜2026年度の5年間はすべて「大問1(12設問)+ 大問2〜5(各5設問)= 全5大問・32設問(41〜48解答単位)」で推移している。2027年度もこの出題形式が踏襲される可能性が高い(ただし大問2〜5の分野の並び順は年度により変動する)。
直近3か年(2024〜2026年度)の大問出題推移と2027年度の重点学年枠
| 分野 | 2024年度の大問中心テーマ | 2025年度の大問中心テーマ | 2026年度の大問中心テーマ | 2027年度に優先点検すべき重点学年枠 |
| 化学 | 【大問3】中1・3 水溶液の濃度・ろ過・溶解度曲線と再結晶モデル | 【大問3】中3 金属のイオンへのなりやすさ・イオンモデルと化学電池 | 【大問5】中2 酸化銅の炭素還元と質量変化グラフ・定比例計算 | 【最重点】中1化学の未消化領域 および 中3化学の別実験領域 (※併せて中2の別反応領域を点検) |
| 地学 | 【大問4】中2 台風の定義・気団と偏西風・3地点データからの台風進路作図 | 【大問5】中1 震源の深さが異なる2地震の比較・走時曲線と緊急地震速報 | 【大問4】中3 太陽の黒点観察と自転周期・日食モデル実験と月までの距離 | 【最重点】中1地学の未消化領域 および 中2地学の定量計算領域 (※併せて中3天体の未消化領域を点検) |
| 生物 | 【大問2】中3 ニンニクの無性生殖・芽の3部位の体細胞分裂と細胞周期 | 【大問2】中1・2 マツとアブラナの花・4種植物の分類分岐図・コケとシダの吸水 | 【大問3】中2 だ液によるデンプン消化の8試験管対照実験・柔毛と細胞呼吸 | 【最重点】中2(旧中1)植物の実験領域 および 中3生物の未消化領域 (※併せて中2動物の別領域を点検) |
| 物理 | 【大問5】中3 斜面上の重力の2分力作図・位置エネルギーグラフ・仕事と仕事率 | 【大問4】中2・3 LEDの抵抗計算・LEDと豆電球のスイッチ回路・電力比と熱変換 | 【大問2】中1 平面鏡の反射と視点移動・三角柱ガラスの全反射・浮き上がり | 【最重点】中2物理の別領域 および 中1・中3の力学領域 (※併せて中3運動の別実験領域を点検) |
※上記の重点学年枠の中での「4分野それぞれの具体的な単元予想順位(第1候補〜第3候補)」「単元・実験テーマ別の詳細な未出年数と選定根拠」「2027年度に狙われる具体的な実験・観察テーマ」については、noteの『2027年度 北海道公立高校入試・理科|4分野・詳細出題予想レポート』にて公開(有料/100円)している。本記事では以下、上記の方向性を導き出した15か年の出題分析と、過去の入試問題から確認できる共通解法手順を詳しく解説する。
2. 15か年の出題履歴から確認できた「3つの出題傾向」
市販の過去問集に収録されている直近3〜5年分だけを見て「次はどの学年が出るか」を単純に予想すると、重要な対策単元を見落とす危険がある。2012〜2026年度の15か年すべての大問テーマを照合すると、次の3つの特徴が確認できる。
① 同一実験テーマの連続出題回避と「同一学年・別テーマ」の連続出題
2012→2013年度から2025→2026年度までの隣接する14組(4分野×14組=計56組)の大問テーマを照合すると、次の2点が確認された。
- 分析した15年間では、前年と同一の具体的な実験テーマを中心とする大問が翌年も続けて出題された事例は確認されなかった(56組中0件):
- たとえば2026年度に出題された「平面鏡とガラスの反射・屈折・全反射(物理)」「酸化銅の炭素還元(化学)」「だ液によるデンプン消化の対照実験(生物)」「太陽の黒点と日食モデル実験(地学)」と全く同じ実験設定が、翌2027年度の大問で再び中心となる優先度は低いと判断できる。
- 一方で、同じ学年・同じ章の領域であっても「実験テーマが異なる単元」は連続出題される実績がある:
- たとえば2021→2022年度の化学では、2021年度・大問3(中3:硫酸・塩酸と水酸化バリウムの中和反応)に続き、翌2022年度・大問3(中3:うすい塩酸と塩化銅水溶液の電気分解)と、同じ中3のイオン領域から異なる実験テーマが2年連続で出題されている。
- また、2021→2022→2023年度の生物でも、2021年度(中2:パイナップルの消化酵素実験)$\rightarrow$ 2022年度(中2:植物の蒸散量実験)$\rightarrow$ 2023年度(中2:ヒトの肺による呼吸モデルと血液循環)と、中学2年領域の異なる単元が3年連続で出題された。
- したがって、「前年に出た学年だから翌年は出ない」と学年単位で切り捨てるのではなく、具体的な単元・実験テーマごとに何年間の空白があるかを確認する必要がある。
② 「8〜11年度差での再登場」と「3〜6年スパンの反復」の併存
15か年の出題間隔を追跡すると、1つの年度の試験の中に次の2つの再登場パターンが混在していることが分かる。
- パターンA(8〜11年度差での広い単元・実験テーマの再登場):
- 2023年化学「金属酸化物の炭素による還元(2012年は酸化銅、2023年は酸化鉄。広い実験系統として11年度差)」、2023年生物「ヒトの呼吸と赤血球・血液循環(2014年以来9年度差)」、2025年生物「植物の分類とつくり(2017年以来8年度差)」、2026年地学「日食の位置関係を模型で再現するテーマ(2017年以来9年度差。ただし2017年は太陽までの距離の相似計算、2026年は月までの距離の縮尺計算と、問われた計算対象は異なる)」。
- これらは直近5年分の過去問集だけを見ていても把握できない出題履歴である。
- パターンB(複数回実績のある中核単元の3〜6年スパンでの反復):
- 物理の「電流回路と電力・LED(2013→2017→2022→2025年)」や「運動と力学的エネルギー(2015→2019→2024年)」、生物の「消化酵素の対照実験(2015→2021→2026年)」や「体細胞分裂と細胞の成長(2012→2016→2020→2024年:4年度差で4回出題)」、地学の「地震の伝わり方と緊急地震速報(2015→2021→2025年)」のように、3〜6年度差で繰り返し出題される定番単元が存在する。
- なお、同じ中3生物であっても「体細胞分裂(2024年まで4回出題)」と「遺伝の交配・分離比計算(2016年後半以来大問内で未出)」のように、単元を細かく分けて空白期間を把握することが重要である。
③ 「大問2〜5向きの単元」と「大問1(小問集合)向きの単元」の役割分担
2013年度に全5大問制へ移行して以降、たとえば「中2生物:動物の分類と進化(2012年大問3以来14年間大問未出)」や「中1物理:音の性質(2014年大問5前半以来12年間大問未出)」は、大問の中心テーマとしては長期間出題されていない。
しかし全設問データを照合すると、これらは大問1(小問集合)の定番枠として高頻度で出題されている。特に2022〜2026年度は大問2〜5がすべて各5設問に統一されているため、複数の実験条件やグラフ・表を組み合わせ、計算・作図・記述へ展開しやすい単元を大問対策として優先する必要がある。
3. 出題データと全体構造(2012〜2026年度・全15か年マスター一覧)
2012〜2026年度の15か年(全78大問・482設問・704解答単位)における設問構成の推移と、4分野の大問番号・単元・中心となる実験および処理内容を以下の表に整理する(※処理階層の内訳「知識確認・単一処理・多段階処理」は本分析独自の分類基準に基づく集計であり、公的機関の難易度区分ではない)。
| 年度 | 大問・設問構成(欄数・処理階層内訳) | 物理(大問番号・単元・中心処理) | 化学(大問番号・単元・中心処理) | 生物(大問番号・単元・中心処理) | 地学(大問番号・単元・中心処理) |
| 2012 | 全8大問・25設問(45欄) [知識7・単一7・多段階11] | 【大問4】中1・3圧力と水圧・浮力:底面5cm四方の面積換算と圧力計算、浮力差算、水中での重力不変性 【大問7】中2・3発電と変換効率・電力量:電球と蛍光灯の表面温度比較、3分間の消費電力量計算 | 【大問1】中1・2有機物の燃焼・酸化銅の還元:塩化コバルト紙と石灰水、$2\text{CuO}+\text{C}$ の反応式と酸化された物質 【大問6】中1溶解度と再結晶・濃度:8g析出後のろ液の濃度計算、水200g条件の水100g基準換算 | 【大問3】中2動物の分類(イカ)・相同器官:イカの解剖と軟体動物、呼吸法と体温による分類基準、相同器官 【大問5】中3無性生殖・体細胞分裂と精細胞:分裂後期の染色体移動作図、体細胞と精細胞の染色体数比較 | 【大問2】中1地層の柱状図対比・火山灰:火山灰の洗浄、無色鉱物割合とマグマ粘性、鍵層対比による堆積順序判定 【大問8】中3太陽系惑星・金星の公転周期:地球型・木星型惑星、正立スケッチからの金星位置と時刻、公転周期0.62年からの1年後の位置計算 |
| 2013 | 全5大問・30設問(48欄) 大問1:8問(4分野×2問) [知識9・単一10・多段階11] | 【大問5】中2電熱線の直並列回路・発熱量:500mA端子の読解、横8×縦10方眼の目盛り設定とグラフ作図、並列分流比(1:4)計算、スイッチS切断時の電熱線bの水温上昇グラフ、直列の電力比較 | 【大問2】中1ロウと水の状態変化・浮沈・密度グラフ:凝固時の体積・密度変化、3種液体の浮沈表からの密度順決定、質量・体積グラフの原点通過直線による同一物質特定と体積計算 | 【大問4】中3食物連鎖ピラミッド・指標生物・分解者:顕微鏡の倍率逆算、消化管内容物からの生態ピラミッドと変動図作図、5地点の指標生物表からの汚染箇所特定、微生物の分解 | 【大問3】中2偏西風・停滞前線・冬の天気・台風:対流圏の厚さと地球半径比、停滞前線作図、冬型の気圧配置と太平洋側の乾燥理由記述、台風の気圧極値と風向変化からの中心位置逆算 |
| 2014 | 全5大問・33設問(43欄) 大問1:14問 [知識15・単一10・多段階8] | 【大問5】中1モノコードと音の波形・三角柱ガラスの屈折と全反射:振幅と音の大きさ、高音波形選択、直角三角形ガラスの法線作図と余角による入射角(30°)・屈折角(50°)算出、全反射の光路追跡 | 【大問3】中3塩酸の電気分解・中和とイオン数グラフ作図:電離イオン式、塩素の水溶性記述、水素の別発生法、中和の理由と滴下量に応じた $\text{H}^+$・$\text{OH}^-$ 数の折れ線グラフ作図 | 【大問2】中1・2オオカナダモの光合成とヒメダカの呼吸・赤血球:ヨウ素液反応から判断できない事項の選別、ヘモグロビンの性質、4本のペットボトルの呼吸回数から単一条件変更ペアを抽出 | 【大問4】中2金属コップの露点測定・飽和水蒸気量逆算と加湿計算:金属の熱伝導性、露点11℃と湿度40%から飽和水蒸気量(25g/m³)と室温(26.5℃)を逆算し25m³の部屋の60%加湿量(125g)を算出 |
| 2015 | 全5大問・33設問(47欄) 大問1:12問 [知識15・単一7・多段階11] | 【大問4】中3ふりこの運動・重力の分解・力学的エネルギー・ストロボ写真:傾斜方眼での重力の2分力作図、最下点での速さと分力ゼロの判定、位置エネルギー差からの運動エネルギー倍率、ストロボ写真の像5個・時間区間4つからの速さ計算 | 【大問2】中2酸化銀の熱分解とMgの不完全酸化(50%)・化合質量比(9:1):酸化銀の熱分解と逆流防止操作、Mgの不完全酸化における反応割合算出、一定量の酸素(0.2g)と化合する銀とMgの質量比算出 | 【大問3】中2・2種の消化酵素X・Yの対照実験(デンプン・けずりぶし)・肝臓と柔毛:デンプンとタンパク質に対する酵素と水の対照実験、ベネジクト液の加熱操作、胆汁と肝臓の尿素合成、柔毛とリンパ管 | 【大問5】中1地震計の慣性・プレート境界断面・初期微動継続時間・緊急地震速報:北海道太平洋側のプレート沈み込み断面、初期微動継続時間グラフ作図、2地点差からのS波・P波速度と到達時刻、緊急地震速報の猶予時間計算 |
| 2016 | 全5大問・34設問(48欄) 大問1:12問 [知識15・単一8・多段階11] | 【大問5】中2・3手回し発電機・電磁力と電磁誘導・電力量(12J)と仕事(3J)の変換効率(25%):発電機の回転向き、磁界中のコイルが受ける力と電磁誘導、電流計・電圧計の接続、電力量と仕事の変換効率計算 | 【大問4】中1水溶液の均一性・濃度・溶解度曲線(水10g→100g換算)と再結晶:質量パーセント濃度計算、水溶液の粒子モデル、ろ過操作、水10gに物質5gの条件を水100g基準(50g)へ10倍換算するグラフ作図 | 【大問3】中3タマネギの根の細胞分裂と成長・アブラナの遺伝($\text{F}_2$ 紫色の自家受粉5:1):根の塩酸処理理由と部位別スケッチ選択、アブラナの交配と $\text{F}_2$ 紫色個体群($\text{AA}:\text{Aa}=1:2$)の自家受粉による次世代分離比(5:1)計算 | 【大問2】中1火山防災マップ(火砕流・西風)と生クリームの粘り気モデル実験:火砕流と偏西風による火山灰分布、生クリームの泡立て時間と傾斜を変えた粘性モデル実験の単一条件比較、爆発的噴火と無色鉱物 |
| 2017 | 全5大問・33設問(52欄) 大問1:14問 [知識15・単一5・多段階13] | 【大問4】中2・3 LEDと豆電球の回路・電流計端子・消費電力比(30倍)と変換効率・分圧抵抗(100Ω):電流値に応じた電流計の−端子選択、同じ明るさでの消費電力比と光への変換効率、直列分圧抵抗の計算 | 【大問2】中1水とロウの状態変化・固体の密度計算・融解曲線:水とロウの凝固時の体積変化から固体密度(0.91, 0.82g/cm³)を算出し液中での浮沈を判定、加熱時間と温度変化(融解曲線)の読解 | 【大問5】中1・2シダ・コケ植物のつくり・ワセリン塗布による葉の表裏の蒸散量差算:シダ・コケ植物の分類と特徴、3条件のワセリン塗布実験における減少水量の差算から葉の表・裏・茎の蒸散量を分離算出 | 【大問3】中3日食の観察スケッチ・日食モデル実験と太陽までの距離の相似計算:日食の観察記録、太陽と月の見かけの大きさと位置関係のモデル実験、相似比を用いた太陽までの距離計算 |
| 2018 | 全5大問・34設問(53欄) 大問1:14問 [知識16・単一4・多段階14] | 【大問5】中1・3水圧と浮力(立方体・連結直方体グラフ)・水と食塩水の密度比・60°の力の分解:水中・食塩水中での重力の不変性と浮力グラフ読解、浮力比からの液体密度比算出、60°方向の力の分解 | 【大問3】中3ろ紙の電気泳動・NaOHと塩酸の中和(陰イオン総数グラフ)とMgの過不足計算:電気泳動のイオン移動、水酸化ナトリウム水溶液+塩酸の陰イオン総数グラフ選択と体積比例計算、Mgとの反応の過不足計算 | 【大問4】中2刺激と反応(瞳孔反射・耳のつくり・2人と4人の反応時間リレー計測):虹彩と瞳孔の反応、耳のうずまき管、2人と4人で手をつないだ反応時間計測からの伝導時間算出と慣れによる変化 | 【大問2】中2タオルの蒸発・飲料缶の露点判定・温暖前線の雲と高層湿度グラフ:気温と湿度から実水蒸気量を算出し冷やした飲料缶表面の水滴発生時刻を判定、温暖前線の雲と高度別湿度グラフの読解 |
| 2019 | 全5大問・36設問(49欄) 大問1:14問 [知識18・単一7・多段階11] | 【大問5】中3斜面上の台車の記録タイマー解析・傾きの異なる斜面と力学的エネルギー比:記録タイマー(50Hz・5打点=0.1秒)の区間速さとグラフ傾きからの速さ予測、斜面の角度と分力、位置エネルギーからの運動エネルギー比(1.5倍)算出 | 【大問4】中2炭酸水素Naの熱分解・未反応を含む再加熱計算・周期表:ステンレス皿での炭酸水素ナトリウムの加熱分解と生成物確認、途中の質量測定と再加熱後の質量変化グラフからの未反応量の計算、周期表 | 【大問2】中2ホウセンカの光合成(脱色操作)とBTB寒天培地の光合成・呼吸実験:あたためたエタノールによる葉の脱色と部位別ヨウ素液反応の比較、BTB寒天培地の変色幅から光合成と呼吸の二酸化炭素収支を特定 | 【大問3】中1・2つの露頭の地層とサンゴ化石・火山灰とマグマ粘性・傾斜地層の深さ計算:サンゴ化石の環境、火山灰の鉱物と粘性、標高と柱状図深さから鍵層の高さをそろえ傾斜地層の掘削深さを算出 |
| 2020 | 全5大問・31設問(43欄) 大問1:12問 [知識11・単一9・多段階11] | 【大問4】中2手回し発電機とオームの法則・エナメル線コイルが磁界から受ける力(モーター):手回し発電機の回転向き・速さと電流、オームの法則計算、磁界中でコイルが受ける力の向きとモーターの回転原理 | 【大問2】中1金属の密度測定・プラスチック小片と水・エタノール混合液の浮沈:電子てんびんとメスシリンダーによる密度算出、水とエタノールの混合割合を変えた液体に対する小片の浮き沈み表からの密度順特定 | 【大問5】中3タマネギの根の細胞分裂(染色体分配)と印の間隔・細胞長の伸長範囲:根の体細胞分裂における染色体分配とコピー、等間隔の印の間隔変化と細胞の長さの比較から成長部位を特定 | 【大問3】中3太陽の黒点移動(球面効果)・金星と火星の公転軌道と1か月後の見え方:黒点の形と移動から太陽が球体で自転していることを特定、金星と火星の公転軌道図から1か月後の位置と見え方を判定 |
| 2021 | 全5大問・33設問(51欄) 大問1:12問 [知識14・単一9・多段階10] | 【大問4】中1空気の密度・大気圧と天井にはりつく正方形ゴム板の面積と4力のつり合い:空気の質量と密度計算、大気圧によって天井にはりつく正方形ゴム板の面積換算と、おもり・ゴム板にはたらく4力のつり合い計算 | 【大問3】中3硫酸・塩酸と水酸化バリウムの中和・沈殿グラフ・電気伝導性と塩の反応式:中和反応のイオン式、硫酸と水酸化バリウムの反応における白色沈殿の質量グラフ、中和点での電気伝導性の変化 | 【大問2】中2パイナップルの消化酵素X・Yの対照実験(デンプン・スキムミルク・4時間加温):果実の酵素とデンプン・スキムミルク(タンパク質)を用いた複数試験管の対照実験、温度条件と4時間後の変化の考察 | 【大問5】中1地震の波形・S波速度・初期微動継続時間グラフからの発生時刻・緊急地震速報:地震波形の読解、観測データとグラフからのS波速度・地震発生時刻の逆算、緊急地震速報の猶予時間計算 |
| 2022 | 全5大問・32設問(45欄) 大問1:12問、大問2〜5:各5問 [知識15・単一9・多段階8] | 【大問4】中2電熱線a・bの直並列回路・目盛り設定グラフ作図・豆電球の明るさ順・並列抵抗変化:電圧と電流の目盛り設定とグラフ作図、異なる回路における豆電球の明るさ順の比較、並列接続時の合成抵抗と電流変化 | 【大問3】中3うすい塩酸と塩化銅水溶液の電気分解・イオン数減少グラフ・塩素の漂白作用:塩酸と塩化銅水溶液の電気分解の電極反応、塩素の漂白・殺菌作用、通電に伴う水溶液中のイオン数の減少グラフ | 【大問2】中2双子葉類と単子葉類の維管束・キクの花・葉・茎の蒸散量差算と気孔の開閉:茎の維管束の並び方、花・葉・茎の条件を変えたキクの減少水量の差算による部位別蒸散量の算出と気孔の働き | 【大問5】中2冬の西高東低の気圧配置・高気圧の下降気流・山越え気流の凝結量と湿度計算:冬型の気圧配置と高気圧の気流、山を越える空気塊の露点と気温変化からの水蒸気凝結量および下降後の湿度計算 |
| 2023 | 全5大問・32設問(45欄) 大問1:12問、大問2〜5:各5問 [知識12・単一6・多段階14] | 【大問5】中1凸レンズの結像(目のつくり対比・斜め入射光線の作図・2つの曲線グラフ・虚像):目の水晶体と網膜の対比、凸レンズの斜め入射光線の作図、物体・レンズ・スクリーン距離の2曲線グラフ読解と虚像 | 【大問3】中2銅とMgの酸化(酸化割合50%・質量比3:8)・酸化鉄と酸化Mgの炭素還元と$\text{CO}_2$中燃焼:銅とMgの加熱酸化における酸化割合と質量比計算、酸化鉄の炭素還元と二酸化炭素中でのMgの燃焼 | 【大問2】中2ヒトの肺による呼吸(吸気と呼気・安静時と運動時の酸素摂取量棒グラフ・肺モデル・赤血球):吸気と呼気の気体割合と安静時・運動時の酸素摂取量計算、横隔膜と肺のモデル実験、赤血球の酸素運搬 | 【大問4】中3夕方西の空の金星の逆像スケッチと見え方推移・金星と月の重なりと3日前の新月・日食:天体望遠鏡の逆像スケッチと満ち欠け・大きさの推移、金星と月が見える位置関係から3日前の新月・日食を考察 |
| 2024 | 全5大問・32設問(46欄) 大問1:12問、大問2〜5:各5問 [知識17・単一9・多段階6] | 【大問5】中3斜面上の重力の2分力作図・位置エネルギーの目盛り設定グラフと2変数比例・仕事と仕事率:斜面上の重力の直交2分力作図、高さ・質量と位置エネルギーの目盛り設定グラフ作図、仕事と仕事率の計算 | 【大問3】中1・3水溶液の濃度・ろ過・溶解度曲線(水50g→100g換算)と水半減時のイオン・再結晶モデル:濃度計算とろ過操作、水50g条件を水100g基準へ換算する溶解度計算、水を蒸発させた際のイオン・再結晶モデル | 【大問2】中3ニンニクの無性生殖・芽の3部位の細胞分裂と成長スケッチ比較・細胞周期の所要時間比:無性生殖の特徴、根や芽の3部位における細胞の大きさと染色体のスケッチ比較、各段階の細胞数割合からの細胞周期時間比算出 | 【大問4】中2台風の定義・小笠原気団と偏西風作図・3地点の気圧と風向変化からの台風進路作図・簡易気圧計:最大風速による台風の定義、小笠原気団と偏西風、3観測地点の気圧・風向時系列データからの台風進路作図 |
| 2025 | 全5大問・32設問(41欄) 大問1:12問、大問2〜5:各5問 [知識14・単一9・多段階9] | 【大問4】中2・3 LEDの抵抗計算(800Ω)・LEDと豆電球のスイッチ回路(直列と短絡)・電力比(70倍)と熱変換:LEDの抵抗算出、スイッチ開閉による直列・短絡回路の切り替わり、消費電力比(70倍)と熱への変換 | 【大問3】中3金属X・銅・亜鉛のイオンへのなりやすさ・青色残存イオンモデル作図・未知金属Yの実験設計・化学電池:金属と水溶液の反応からのイオン化傾向比較、残存銅イオンのモデル作図、未知金属Yの順序決定実験、電池 | 【大問2】中1・2ルーペ操作・マツとアブラナの花の相同部位・4種植物の分類分岐図・ゼニゴケとイヌワラビの吸水:ルーペの使い方、被子植物と裸子植物の花の部位対比、4種植物の分類フローチャート、コケとシダの吸水比較 | 【大問5】中1地震計のしくみ・震央が同じで深さが異なる2地震の比較・震源距離逆算と走時曲線作図・緊急地震速報:地震計の記録原理、震央が同じで震源の深さが異なる2つの地震のデータ比較、走時曲線作図と緊急地震速報計算 |
| 2026 | 全5大問・32設問(48欄) 大問1:12問、大問2〜5:各5問 [知識16・単一7・多段階9] | 【大問2】中1光の反射・屈折・全反射(方眼上の平面鏡と視点移動30cm・三角柱ガラス・液面上昇と点Rの浮き上がり):方眼上の鏡の反射作図と全身が映る視点移動距離、三角柱ガラスの全反射、水を入れた際の光路変化 | 【大問5】中2酸化銅の炭素還元(逆流防止・捕集気体の密度比較・折れ点からの残存固体と発生$\text{CO}_2$計算・半減グラフ作図):ガラス管を抜く操作、捕集気体の密度比較、グラフの折れ点からの未反応酸化銅・発生$\text{CO}_2$計算と半減時の作図 | 【大問3】中2だ液によるデンプン消化の8試験管対照実験(40℃全量糖化と10℃一部糖化・柔毛・毛細血管・細胞呼吸):温度・だ液有無等を組み合わせた8試験管のヨウ素液・ベネジクト液反応の考察、柔毛での吸収と細胞呼吸 | 【大問4】中3太陽の黒点観察と自転周期計算(27日)・球A・Bを用いた日食モデル実験と月までの距離計算(38万km):黒点の移動角度からの公転を考慮しない自転周期算出、大小2球を用いた日食モデル実験と縮尺からの月距離算出 |
| 15年計 | 全78大問・482設問(704欄) [知識209・単一116・多段階157] | 物理大問:計16大問 | 化学大問:計16大問 | 生物大問:計16大問 | 地学大問:計16大問 |
4. 過去15か年の入試問題から確認できる「大問1(小問集合)」の定番処理
大問1(物理3問・化学3問・生物3問・地学3問の全12設問)では、各分野の基礎知識や基本的な計算・作図を幅広く確認する問題が出題されている。過年度の出題実績から、特に大問1で繰り返し問われている代表的な処理は以下の通りである。
- 物理(3問):①音の性質(2014年度・大問5・問3のように、同じ時間幅での波形の振動回数と振幅から音の高さ・大きさを判別する処理)、②方眼上の力の作図(2013年度・大問1・問4(2)の2力のつり合い作図、および合力の平行四辺形作図・斜面の分力作図)、③圧力($\text{Pa}$)や仕事($\text{J}$)の計算(2012年度・大問4・問1や2015年度・大問1・問7の底面 $5\text{cm}\times 5\text{cm}=0.0025\text{m}^2$ の面積換算による圧力計算、2014年度・大問1・問7の $300\text{g}=3\text{N}$ を $2\text{m}$ 持ち上げる仕事計算)。
- 化学(3問):①気体の発生方法と性質(2013年度・大問1・問1(1)の酸とマグネシウムによる水素発生、2014年度・大問3・問1(3)の亜鉛とうすい塩酸による水素発生)、②原子の構造と化学反応式の係数(2013年度・大問1・問1(2)のヘリウム原子構造と電子、2014年度・大問1・問2の $2\text{Cu}+\text{O}_2\rightarrow 2\text{CuO}$ の係数決定)、③質量パーセント濃度の計算(2014年度・大問1・問5の $5\%$ 食塩水 $100\text{g}$ 中の食塩質量 $5\text{g}$ の算出)。
- 生物(3問):①動物の分類と進化(2012年度・大問3の軟体動物とセキツイ動物の呼吸法・体温比較・相同器官、2014年度・大問1・問1(3)のセキツイ動物)、②顕微鏡の操作と倍率計算(2013年度・大問4・問1の対物レンズを近づけてから遠ざけるピント合わせと倍率逆算)、③体細胞分裂の順序整序(2014年度・大問1・問4の染色体の出現・中央配列・両極移動の並び替え)。
- 地学(3問):①太陽系の惑星と銀河系・日食と月食(2012年度・大問8・問1の地球型・木星型惑星と平均密度の大小、2013年度・大問1・問3の惑星数8個・銀河系・日食の位置G)、②気象要素と前線・天気図(2013年度・大問3の偏西風・停滞前線の作図・シベリア高気圧)、③火成岩の分類と示準化石・示相化石(2014年度・大問1・問1(4)(6)の深成岩・示準化石)。
授業ではここまで扱う:実験・資料の「基準単位への換算と比較条件の固定」
本記事で分析した複数年度の過去問において、定量計算やグラフ読解、複数条件の比較を伴う問題で共通して正答の決め手となっているのが、「問題文で与えられた測定値や条件をそのまま比較・代入せず、グラフや公式の『基準単位』にそろえてから処理する手順」である。
実際の授業では、初見の計算問題や資料読み取り問題に直面した際、次の4段階に分けて条件を確認・処理する。
- 第1段階:グラフ・表・公式の「基準単位(分母となる量)」の確定
- グラフの縦軸・横軸の単位や公式の定義を確認し、「水 $100\text{g}$ あたり」「空気 $1\text{m}^3$ あたり」「面積 $1\text{m}^2$ あたり」「体積 $1\text{cm}^3$ あたり」などの基準単位を最初に特定する。
- 第2段階:問題文の実験条件の抽出と「基準単位への換算(初手の選択)」
- 問題文の実験条件(水の量が $200\text{g}$ や $50\text{g}$、$10\text{g}$ になっていないか、部屋の体積が $25\text{m}^3$ になっていないか、長さが $\text{cm}$ で与えられていないか)を確認し、第1段階の基準単位に合わせる比例換算や単位換算を最初に行う。
- 第3段階:比較の基準となる「単一条件(または境界値)」の固定
- 複数の実験結果や候補を比較する際は、他の条件をそろえて1つの条件だけが異なるペア(またはグラフが折れ曲がる過不足のない境界点、同時期に堆積した鍵層、原点を通る直線)を特定する。
- 第4段階:設問が要求する最終値・指定語句での出力
- 「1 $\text{m}^3$ あたりの値」ではなく「部屋全体の値」を求めていないか、「反応した量」ではなく「未反応で残った量」を求めていないか、四捨五入や指定語句の条件と照合して解答を確定させる。
この4段階の手順を、複数年度の異なる分野の実際の入試問題に適用した具体例を以下の表に示す。
| 対象年度・設問・分野 | 第1段階:基準単位の確定 | 第2段階:実験条件の基準単位への換算(初手) | 第3段階:比較条件・境界値の固定 | 第4段階:設問要求に応じた最終処理 |
| 2012年度・大問6・問3 2016年度・大問4・問3 2024年度・大問3 (化学:溶解度曲線) | 溶解度曲線の縦軸は「水 $100\text{g}$ に溶ける物質の質量($\text{g}$)」である。 | 問題文の水の量が $200\text{g}$(2012年)、$10\text{g}$(2016年)、$50\text{g}$(2024年)である条件を、それぞれ水 $100\text{g}$ あたりの物質質量へ比例換算する(例:2012年は $50\text{g}\times\frac{100}{200}=\mathbf{25\text{g}}$、2016年は $5\text{g}\times\frac{100}{10}=\mathbf{50\text{g}}$)。 | グラフ上で換算後の質量($25\text{g}$ や $50\text{g}$)の水平線と各物質の溶解度曲線が交わる温度(析出が始まる境界温度)を特定する。 | 設問が求める温度やビーカーの記号、または元の水の量($50\text{g}$ 等)に戻した析出量を算出して解答する。 |
| 2014年度・大問4・問3 (地学:飽和水蒸気量) | 飽和水蒸気量曲線の縦軸は「空気 $1\text{m}^3$ あたりの水蒸気量($\text{g/m}^3$)」である。 | 露点 $11^\circ\text{C}$ から空気 $1\text{m}^3$ 中の実水蒸気量 $10\text{g/m}^3$ を読み取り、湿度 $40\%$ で割って室温の飽和水蒸気量 $10\div 0.40=\mathbf{25\text{g/m}^3}$ を逆算する。 | ①グラフで飽和水蒸気量が $25\text{g/m}^3$ となる温度を読み取る。 ②同じ室温で湿度 $60\%$ 時の水蒸気量 $25\times 0.60=\mathbf{15\text{g/m}^3}$ と現在の $10\text{g/m}^3$ の差($1\text{m}^3$ あたり $5\text{g}$)を求める。 | ①室温 $26.5^\circ\text{C}$ を確定する。 ②$1\text{m}^3$ あたりの不足量 $5\text{g/m}^3$ に部屋の体積 $25\text{m}^3$ を掛け、補給する水の質量 $125\text{g}$ を算出する。 |
| 2014年度・大問2・問3 2021年度・大問2 2026年度・大問3 (生物:多条件の対照実験) | 複数の試験管や容器で「光の有無」「生物や酵素の有無」「温度の違い」が組み合わされていることを確認する。 | 各容器の条件を表に整理し、調べたい事柄(例:光が必要か、酵素のはたらきか、温度の影響か)を1つ特定する。 | 調べたい条件以外のすべての条件が同一(固定)で、調べたい条件だけが異なっている2つの試験管・容器のペアを抽出する。 | 抽出したペアの実験結果(ヨウ素液・ベネジクト液の反応や呼吸回数)の違いから判断できる結論を選択・記述する。 |
| 2012年度・大問4・問1 2015年度・大問1・問7 2021年度・大問4 (物理:圧力と面積換算) | 圧力 $\text{Pa}$($\text{N/m}^2$)の基準単位は「面積 $1\text{m}^2$ あたりにはたらく力($\text{N}$)」である。 | 底面の正方形の1辺 $5\text{cm}$ をそのまま使わず、先に $0.05\text{m}$ に換算して面積 $0.05\text{m}\times 0.05\text{m}=\mathbf{0.0025\text{m}^2}$(または $25\text{cm}^2\div 10000$)を算出する。 | 面を垂直に押す力の大きさ($\text{N}$)や大気圧による力のつり合い条件を確定する(例:2012年は重力の大きさ $2.7\text{N}$)。 | 力($\text{N}$)を面積($\text{m}^2$)で割り、圧力(例:$2.7\div 0.0025 = \mathbf{1080\text{Pa}}$)または支えられる質量を算出する。 |
重要なのは、単元ごとの名称や公式だけを丸暗記することではなく、初見の問題に対して「どの条件を確認し、どの処理を選択するか」を別の問題でも再現できるようにすることである。
北海道公立高校入試・理科の対策と復習手順
過去問や問題集を用いた学習において、「解答・解説を読んで理解できること」と「入試本番の初見問題で同じ判断手順を自力で再現できること」の間には明確な差がある。特に北海道の理科では、同じ単元であっても実験装置の図やグラフの軸、問題文の条件設定を変えて出題されるため、過去の答えばかりを覚える学習では得点力が安定しない。
普段の過去問演習および復習では、次の手順を反復して身につけることが有効である。
- 設問要求の確定:問題文の末尾に線をひき、「物質名」を答えるのか「化学式・イオン式」を答えるのか、「判断できるもの」を選ぶのか「判断できないもの」を選ぶのか、小数第1位を四捨五入するのかを最初に確定させる。
- 条件整理と基準単位の確認:問題文中の数値条件(質量、体積、温度、時間、距離)と、グラフの軸や計器の接続端子(例:電流計の $500\text{mA}$ 端子)を確認し、単位の換算($\text{cm}\rightarrow\text{m}$、$\text{g}\rightarrow\text{N}$、$\text{分}\rightarrow\text{秒}$、水 $200\text{g}\rightarrow\text{水 }100\text{g}$ あたり)が必要かを判断する。
- 根拠資料の特定と初手の選択:複数ある実験や表のうち、どのデータとどのデータを比較すればよいか(単一条件だけが異なる対照実験のペア、同時期の火山灰層、グラフの折れ点や原点を通る比例直線)を選び出す。
- 計算・作図・記述条件の照合:作図問題では「作用点の位置」「方眼の目盛り数」「法線(境界面に垂直な線)との角度」を再確認し、記述問題では指定語句をすべて使い、主語と述語が設問の問いかけに対応しているかを点検する。
最後に、本記事の15か年分析から得られた学習上の指針を3つに整理してまとめる。
- 複数年度で共通して確認できたこと:単位換算や基準量への比例換算、対照実験における単一条件変更ペアの抽出、グラフの折れ点(過不足のない反応点や飽和点)の読み取りといった処理手順は、年度や単元を超えて繰り返し要求されている。
- 初見問題にも利用できる手順:本記事の「授業ではここまで扱う」で示した4段階の確認手順(基準単位の確定 $\rightarrow$ 実験条件の換算 $\rightarrow$ 比較基準の固定 $\rightarrow$ 最終要求での出力)は、特に定量計算、グラフ読解、複数条件の比較を伴う問題において、解法の初手を整理する共通手順として活用できる。
- 年度によって変わるため固定化すべきでない部分:大問2〜5の分野の並び順、多段階処理型問題の正確な設問数、および「どの単元が必ず出るか」という決めつけは固定化すべきではない。15か年の出題履歴から導かれる重点単元から優先して具体的な思考手順を演習しつつ、大問1の小問集合対策を通じて4分野全体の基礎知識と基本処理をバランスよく仕上げてほしい。
▼この動画のポイントを動画で解説しています。

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