【2025年】長崎大(前期)英語(大問E)徹底分析:図表描写と自由英作文を制する「対比と論証の型」

国公立大学の自由英作文および図表読み取り問題の攻略は、「その場でアイデアをひねり出す」「思いついた順に英語にする」といった属人的な感覚論ではない。与えられたデータ(ファクト)を「英語の論理フォーマット(型)」へ客観的に流し込む「情報処理」の作業である。

白紙の解答用紙を前に「何を書こうか」と悩む時間は存在しない。感情論や主観を交えて無用な文法ミスを誘発する行き当たりばったりのアプローチは、重大な論理破綻と時間的ロスを招く典型的な失点パターンに過ぎない。当研究所が徹底分析した以下のデータに基づき淡々と、難関大自由英作文における真の「解答構築手順」を構造分解する。

目次

長崎大学(前期)英語 大問E:設問構造と要求される解答手順

本大問は、性質の異なる2つのタスク(記述)から構成されている。これらを混同せず、各々に最適化された型を適用し、指定語数(各100語程度)を満たす必要がある。

設問タスク問われている要素適用すべき解法手順(型)とフォーマット
設問1(図表描写)1950年からの出生率の変化(日本・中国)予測部分の細部には深入りせず、マクロなトレンドと両国の「対比構造」を優先する。
設問2(意見論述)出生率低下が将来引き起こす問題と理由(2つ)主張+客観的論拠2つ+再主張の「3部構成絶対ロック」に固定する。

攻略の法則:主観を排した「対比の型」と「3部構成の絶対ロック」

図表の細部をすべて実況中継しようとしたり、意見論述でオリジナリティを出そうとしたりするのは、自ら得点を手放す行為である。ここで、受験生が現場で直ちに使える極端な決定ルール(型)を一つ提示する。

【決定ルール】図表描写では不確かな数値を断定せず安全な表現へ逃げよ。意見論述では論拠を組み立てやすい立場(Yes)を選択し、汎用性の高い「高齢化」と「労働力不足」の事実パーツを機械的に代入せよ。

問1(図表描写タスク)は「1950年からの変化」を問うており、2020年以降の予測(Projections)部分の細部にまで深入りする必要はない。1950年代から劇的に急落した中国(dropped sharply)と、なだらかに低下した日本(declined more gradually)という「対比」の構築にのみ集中する(In comparison や while などの接続詞を活用する)。

さらに、グラフの現在値(2020年以降)は両国とも1点台前半を示しているが、ここで「現在は約1.2である」などと不正確な数値を断定して減点されるリスクは避けるべきだ。「両国とも現在は非常に低い水準にある(now at a very low level)」と、事実関係を慎重かつ安全な言葉で描写する情報の取捨選択が必須である。

問2(意見論述タスク)では、「出生率の低下が問題を引き起こすか」が問われている。論理が破綻していなければ「No」でも正解にはなるが、グラフの予測値が低水準で推移している以上、「Yes」を選択した方が圧倒的に論拠を組み立てやすく、本番での安定感が増す。構成は「①主張(Yesの宣言) → ②論拠(理由1+理由2) → ③再主張」の3部構成に完全固定(絶対ロック)し、First, … Second, … でナンバリングする。

ここに主観的な感情は一切不要である。理由の1つ目には「高齢化が進み、少ない現役世代でより多くの高齢者を支えることになり、年金や医療などの社会保障制度への負担が増す(with an aging population, fewer workers will support more elderly people…)」、2つ目には「労働力不足と経済停滞(there will be a shortage of workers…)」という、社会経済的な客観的ファクトを展開する。これらを代入するだけで、論理的に極めて強固な100語エッセイが完成する。

結論:自由英作文は「才能」ではなく「作業」である

以上の徹底分析が示す通り、自由英作文や図表問題は、その場でゼロから独創的な英文をひねり出すようなセンスの産物ではない。指定された型に情報を代入し、論理のねじれを防ぐ実務的な「作業」である。

生徒の「とりあえず思いついた順に書く」という自己流のアプローチのままでは、制限時間内に論理的でミスのない解答を安定して構築しきることは難しい。今日からすべきアクションは以下の3点である。

  1. 情報の取捨選択: 図表問題ではすべての変化を書こうとせず、1950年以降の大きな変化と「対比」に的を絞る。
  2. 断定リスクの回避: 不確かなグラフの数値の読み取りは避け、「低い水準にある」などの安全な表現に置き換える。
  3. 論証パーツのストック: 「高齢化」や「現役世代の負担増」、「労働力不足」など、使い回しの効く社会経済的ファクトの英語表現を暗記し、3部構成の型に流し込む訓練をする。

自己流の不確かな英作文を捨て、この記事で示された型(手順)を徹底するか、あるいは自己流で再現しにくいなら、こうした型を明確に言語化し添削してくれる教材や指導を活用した方が得点は安定しやすい。正しい情報処理の手順を身につけない限り、どれほど単語を繋ぎ合わせても、本番での記述力向上には直結しない。

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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