【愛媛県公立入試・英語】対話文は「読解」ではない。「照合」である。~14年間変わらない「資料×会話」の鉄則~

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

1. 敵の正体:これは「英語」ではない。「マルチタスク」だ

愛媛県公立入試の英語において、大問2(または大問3)で出題される「対話文読解」。 多くの受験生は、これを単なる「会話形式の長文」だと認識し、最初から最後まで英文を和訳しようとする。

断言する。そのアプローチは「時間の無駄」である。

我々が調査した直近14年分(2012~2025年)の全データにおいて、愛媛県の対話文は「対話+視覚資料(Handout, Map, Graph etc.)」というセット販売の形式が一度たりとも崩れていない。

ここで求められている能力は、流暢な翻訳能力ではない。 左手の「英文」と右手の「資料」を高速で行き来し、矛盾や合致点を捜査する「照合能力(Cross-Reference)」である。

ここでの「照合」とは、「設問が要求する条件を資料側で先に確定し、英文はその条件が“本当に適用されるか”を確認するために読む」という手順を指す。 これは英語の試験という皮を被った、高度な「情報処理テスト」だ。 今回は、この14年間不変の「愛媛モデル」を攻略するための、3つのアルゴリズムを提示する。

2. アルゴリズム①:英文より先に「資料」をスキャンせよ

試験開始の合図と共に、英文の “Hi, Naoki.” から読み始める受験生は、その時点で負け戦を強いられている。 愛媛県の対話文攻略における初手は、「資料のタイトルと項目」を見ることだ。

なぜか? 会話の「前提条件」はすべて資料側に書かれているからだ。

  • 2025年: Handout(職場体験の日程表)
  • 2024年: Floor Guide(展示会場のマップ)
  • 2021年: Flyer(博物館の割引条件)

まず資料を見て、「これは何の話か(日程か、場所か、金か)」を脳にインプットする。 そうすれば、英文を読む際に「あ、これはあの日程の話だな」と予測変換が働き、読む速度が倍増する。

【愛媛県型・攻略プロトコル】

  1. 資料をスキャンする(タイトル・項目を確認)
  2. 設問を見る(“探すべき情報”を確定する)
  3. 照合する(その情報に関係する発言だけを英文から拾う)

「Reading(読む)」前に「Scanning(全体把握)」を行う。これが鉄則だ。

3. アルゴリズム②:「※注釈」こそが本体である

千葉県のチラシ問題と同様、愛媛県入試においても「最大の罠」は小さな文字に潜んでいる。

特に警戒すべきは、資料の隅にある *(アスタリスク)や Note(注釈)だ。 2021年の「博物館」の問題を思い出してほしい。 「チケット代いくら?」という単純な計算に見せておきながら、正解の根拠はチラシの隅に書かれた「ウェブサイトで買えば10%割引」という条件文にあった。

出題者は、受験生が「表の真ん中の大きな数字」に飛びつくことを知っている。 だからこそ、あえて「隅の小さな文字」に正解の鍵を隠す。注釈とは単なるメモではない。プログラミングで言う「条件分岐(IF文)」なのだ。

【即反応チェックリスト】 以下の単語を見つけたら、「適用条件」を確定させてから計算・選択に入ること。

  • * / Note(注釈)
  • However / Only / Except(ただし/~のみ/~を除く)
  • If / When(もし~なら/~の時)

英文を読む際、常に「例外はないか?」と疑う姿勢を持つこと。それが「情報処理」の基本作法である。

4. アルゴリズム③:英作文は「パズル」として埋めろ

近年の愛媛県入試(2014年以降)では、対話の流れに合うように英文を書かせる「条件英作文」が定着している。 ここで多くの受験生が「面白いことを書こう」として自滅する。

ここでも必要なのは「作家性」ではなく「論理性」だ。 空欄の前後の文脈という「型枠」を見て、そこにカチッとはまるピース(英文)を埋め込む感覚を持てばよい。愛媛県で問われる型は、以下の3パターンに収束する。

【頻出の型(Pattern)】

  1. 提案への反応
    • 直前:Let’s ... / Shall we ...?
    • 正解:Sure. / That’s a good idea. / Sorry, I can’t.
  2. 理由の説明
    • 直前:Why ...? / 直後:Because ...
    • 正解:I see. / Really? / Then, how about ...?
  3. 条件の流用
    • 指定:時間・場所・料金など
    • 正解:資料にある単語をそのまま使う(例:on Saturday, before 5 p.m.

「書きたいこと」を書くのではなく、「文脈が求めていること」を書く。 これができれば、3語程度の英作文など数秒で処理できるボーナスステージとなる。

結論:ペン先で「物理的」に解け

愛媛県の対話文は、頭の中だけで解いてはいけない。 ペンを使い、「英文の根拠」と「資料の該当箇所」を線で結ぶくらいの勢いで解くべきだ。

  1. 資料を見る(テーマ把握)
  2. 設問を見る(検索対象の特定)
  3. 照合する(英文と資料を行き来する)

このプロセスを徹底すれば、愛媛県の英語はもはや「語学の試験」ではなく、単純な「照合作業」へと変わるだろう。

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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