【2024・2025年度】埼玉県公立高校入試・英語大問2〜5:注釈だけでは解けない「構文と論理関係」の型

埼玉県公立高校入試の英語における大問2〜5の攻略は、注釈に示された日本語をつなぎ合わせ、何となく文意を作ることではない。形式主語や第5文型などの構文を正確に判定し、because ofInstead ofeven when といった表現が前後の情報をどのように結びつけているかを処理する手順が必要である。

教科書レベルの語彙や基本文法を身につけていることは、当然の前提となる。しかし、単語の意味が分かっていても、不定詞がどの語を修飾しているのか、あるいは形式主語の真の主語がどこまでかを判定できなければ、記述問題や空欄補充で必要な要素を落としやすい。

たとえば、今回抽出した2024年度・2025年度のデータでは、「make O C(OをCの状態にする)」「It is 形容詞 for A to V」「Instead of ~(〜の代わりに)」「even when SV(〜する時でさえ)」といった表現が、解答の根拠や誤読が生じやすい箇所に確認できる。フィーリングや自己流の和訳に頼る受験生は、make を単に「作る」と直訳して文構造を見失ったり、Instead of が示す「採用されなかった手段」と「実際に採用された手段」を区別できなかったりする。

重要なのは、日本語として何となく意味を通すことではなく、構文と論理マーカーが前後の情報へ与える関係を客観的に特定することである。当研究所が2年分の入試問題から抽出・統合した、重要な語彙・構文・論理マーカーのデータは以下の通りである。

埼玉県公立高校入試(大問2〜5)最重要語彙・構文・論理マーカー統合リスト

英単語/熟語/構文品詞日本語の意味備考(出現年度・テーマなど)
make O C構文OをCにする【2024/2025】第5文型(状態・状況の変化)
It is 形容詞 (for A) to V構文(Aが)Vすることは〜だ【2024/2025】形式主語・状況の客観的評価
Instead of ~前置詞句〜の代わりに【論理マーカー】【2025】代替手段・対比
be different from ~熟語〜と異なる【2024/2025】対象の比較・対比
help O do構文Oが〜するのを手伝う【2024】目的語+原形不定詞。Oがdoするのを助ける構造。
because of ~前置詞句〜のために、〜が原因で【論理マーカー】【2025】原因・理由を表す。本文ではLRTが人口増加の原因であるかを問う形で使用。
For that reason, SV副詞句その理由のために、〜【論理マーカー】【2024】原因を受けた帰結
However, SV接続副詞しかしながら、〜【論理マーカー】【2024/2025】逆接・情報の転換
even when SV接続詞句〜する時でさえ【論理マーカー】【2025】極端な条件・譲歩
For example, SV副詞句例えば〜【論理マーカー】【2025】抽象から具体への展開
Actually, SV副詞実は、実際に【論理マーカー】【2024/2025】真実の提示・展開
目次

【埼玉県公立入試・英語大問2〜5】第5文型と形式主語の解法アナトミー

【第5文型と形式主語】情報構造を特定し因果を導く型

入試レベルの長文において、安定して得点するための第一歩は「文の骨格(SとV)」を正確に捉えることである。

第5文型 make O C では、make を単に「作る」と訳してはならない。「Sによって、OがCの状態になる」という状態変化として処理する手順が必要である。

2024年度の making the information easier for foreign visitors to understand では、目的語(O)は the information、補語(C)は easier for foreign visitors to understand である。したがって、「ピクトグラムを用いることで、情報が外国人旅行者にとって理解しやすい状態になる」と捉える。

また、形式主語構文では、文頭の it を具体的な「それ」と訳してはならない。

2024年度の it was hard for many foreign visitors to understand what the notices said では、it は形式主語であり、to understand what the notices said が文の実質的な主語(真主語)である。for many foreign visitors は、不定詞の動作を行う主体を示している。

したがって、「多くの外国人旅行者が、その掲示に何と書かれているかを理解することは難しかった」と処理する。

【埼玉県公立入試・英語大問2〜5】論理マーカーの解法アナトミー

【原因・代替・譲歩】情報の関係を特定する型

because ofInstead ofeven when は、すべて同じ「状況変化の合図」ではない。それぞれが前後の情報へ異なる論理関係を与える。

  • because of は原因・理由を示す。
  • Instead of は、採用されなかった手段と実際に採用された手段を対比する。
  • even when は、ある条件を認めても主節の事実が成立することを示す。

論理マーカーを見つけた際は、単に丸をつけるだけでなく、「原因・代替・譲歩・逆接・具体化」のどの機能を持つかを特定することが重要である。

【決定ルール】

過去問演習の際、読者がすぐに適用すべきルールは以下の通りである。

  • 「make O C」を見つけたら、直訳を即座に捨て、「Sによって、OがCの状態になる」という原因と結果の構造として処理せよ。
  • 文頭に「It is 形容詞」を見つけたら、即座に真の主語(to V や that節)を探し、「〜することは…だ」という骨格を確定させよ。
  • 論理マーカーを見つけたら、それが前後の情報を「原因・代替・譲歩・逆接・具体化」のどの関係で結んでいるかを余白に記録せよ。

結論とアクションチェックリスト

英語の長文読解において、合否を分けるのは「一部のセンスや才能」ではない。出題の根底にある構文のルールを理解し、因果関係や情報の関係性をデータに基づき淡々と割り出す『正しい型(手順)』の徹底である。

単語帳を眺めたり、ただ和訳を確認したりするような自己流の学習(漫然とした過去問演習など)だけでは、出題の真の構造や自身に不足している処理手順へは気づきにくい。今日から直ちに、以下の手順を日々の学習に組み込むこと。

  1. 過去問の英文を読む際、「make O C」や形式主語構文を見つけたら、S・V・O・Cのパーツに分解し、文の骨格を先に取り出す。
  2. Instead ofeven whenbecause of といった論理マーカーに印をつけ、「代替・譲歩・原因」のどの機能を持っているかを日本語でメモする。
  3. 語彙の注釈(日本語訳)に頼らず、文法的な修飾関係(不定詞がどの名詞を修飾しているか等)を完全に自力で特定できるか、毎回の演習でファクトチェックを行う。
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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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