【青森県公立高校入試・理科】短文記述問題15か年(2012〜2026年)全70問の分析|4分野の頻出テーマと指定語句を用いた解答手順

目次

15か年の短文記述問題から何が分かるのか

2012年度から2026年度までの15か年(全96大問・564設問・解答枠677枠)にわたる青森県公立高校入試・理科の全設問データを調査すると、単一の用語や化学式・数値ではなく、現象の理由や実験操作の目的、物質や天体の特徴などを文や句で記述させる「短文記述問題」が、15年間で計70問(年平均4.67問、全564設問の12.4%)出題されている。

この全70問の設問文と正答例を照合すると、ゼロから長い文章を自由作文させるような難問は出題されていない。一方で、「『公転』という語を用いて書きなさい」「『雨の降る強さ』と『雨の降る時間』に着目して書きなさい」といった条件指定が厳密になされており、また「内惑星・外惑星の公転軌道と真夜中の見え方の関係」「火成岩の結晶の大きさと冷え方の関係」「タマネギの根を塩酸で温める理由」「水の電気分解で水酸化ナトリウムを加える理由」のように、同じ理科知識や実験操作の理由を問う記述テーマが、年度を隔てて繰り返し出題されていることが確認できる。

本記事では、まず2012〜2026年度の15か年に出題された短文記述問題(全70問)の分野別・形式別の集計と年度別一覧データを提示する。続いて、地学・生物・化学・物理の4分野で繰り返し問われている頻出記述テーマと、減点を防ぐための解答作成手順を解説する。

(※2027年度入試に向けた4分野の重点領域と全体分析については別記事『【2027年度予想】青森県公立高校入試・理科(2012〜2026年分析)』を、作図・計算問題の対策については『作図・グラフ作成問題15か年(全26問)の分析』『計算・数値処理問題15か年(全120問)の分析』を参照してほしい)

1. 15か年(2012〜2026年度)の分野別集計と3つの出題特徴

2012〜2026年度の15か年に出題された短文記述問題(全70問:同意可とされる理由・目的・仕組み・特徴・方法と結果の記述設問)を、分野別および出題区分別に集計した結果は以下の通りである。

4分野×出題区分別の集計結果(2012〜2026年度)

分野短文記述合計(割合)小問集合(大問1・2)単独・融合大問(大問3〜7)主な頻出記述テーマ
地学24問(34.3%)6問18問内惑星(金星)と外惑星(火星)の見え方、地軸の傾きと季節変化、火成岩の組織と冷え方、前線通過と気象変化、断熱膨張と雲・露点、凝灰岩とれきの特徴
生物20問(28.6%)2問18問光合成と呼吸の収支、だ液の対照実験と温度条件、タマネギの根の塩酸処理と成長のしくみ、脊髄反射の経路、ヘモグロビンと血液循環、微生物の分解
化学17問(24.3%)2問15問水の電気分解で水酸化Naを加える理由、溶解度の温度変化とろ過・蒸留、水上置換の1本目と逆流防止、気体と金属の確認方法(方法と結果)、酸化と還元
物理9問(12.9%)2問7問直列・並列つなぎかえ時の全体抵抗と電流の変化、電磁誘導の検流計変化と磁界、磁界中のコイルを逆に動かす方法、光と音の速さ、記録タイマーと凸レンズ
15か年合計70問(100%)12問(17.1%)58問(82.9%)15か年すべての年度で毎年度2〜8問出題(年平均4.67問)

15か年の出題履歴から確認できる3つの特徴

  1. 地学(24問)と生物(20問)で全体の約63%を占め、化学(17問)が続く 計算問題や作図問題では物理・化学が全体の75〜85%を占めていたのに対し、短文記述問題では地学が24問(34.3%)、生物が20問(28.6%)と、この2分野で全体の62.9%(70問中44問)を占めている。特に2019〜2026年度の直近8年間(計29問)では物理の短文記述は0問であり、すべて地学(12問)・生物(10問)・化学(7問)の3分野から出題されている。
  2. 直近6か年(2021〜2026年度)は「指定語句・着目点つき記述」が約7割を占める 36設問制に移行した2021〜2026年度の6年間に出題された短文記述は計19問(年2〜4問)であるが、そのうち13問(68.4%)には「『○○』という語を用いて書きなさい」または「『○○』に着目して書きなさい」という明確な条件指定が付されている。特に2025年度(3問中3問)と2026年度(2問中2問)は、出題された短文記述のすべてが条件指定つきの設問であった。
  3. 同一テーマ・同一実験の記述が複数年度にわたって繰り返し出題されている 15か年の全70問を照合すると、「内惑星・外惑星の公転軌道と、真夜中に観測できるかどうかの関係(2013・2019・2026年)」「火山岩・深成岩の冷え方と時間の関係(2012・2017・2022・2025年)」「地軸の傾きと公転による季節変化(2016・2021年)」「タマネギの根を塩酸で温める理由(2014・2020年)」「水の電気分解で水酸化ナトリウムを加える理由(2012・2024年)」のように、過去の青森県入試で問われた記述テーマがそのまま、あるいは設問形式や指定語句を変えて再出題されている事例が多数確認できる。

2. 短文記述問題 全70問の年度別出題一覧(2012〜2026年度)

2012年度から2026年度までの15か年に出題された全70問の年度・設問番号・分野・条件指定の有無・問われた内容と正答例を以下の表に整理する。

年度記述数設問番号・分野・条件指定と正答例(すべて同意可)
20262問・大問4(2)ア[化|指定語句:溶解度]グラフから塩化ナトリウムは温度によってどうであることがわかるか → 正答:溶解度がほとんど変わらない
・大問6(2)イ[地|指定語句:公転]真夜中に金星を見ることができなかった理由 → 正答:金星は地球の内側を公転しているから。
20253問・大問1(3)イ[地|着目点:雨の降る強さ・雨の降る時間]前線X(寒冷前線)通過時の方が前線Y(温暖前線)通過時よりもどうであるか → 正答:強い雨が短時間に降る
・大問3(2)ウ[生|指定語句:せきずい]熱いものに手が触れてから熱いと感じる前に手がはなれる理由 → 正答:熱の刺激がせきずいから脳に伝わる前に、せきずいからの命令が筋肉に伝わるから。
・大問6(5)[地|着目点:時間]グループⅡの火成岩(火山岩)がどのようにしてできたか → 正答:マグマが短い時間で冷え固まってできた。
20244問・大問1(4)イ[地|指定語句:直径・密度]木星型惑星と比較したときの地球型惑星の特徴 → 正答:直径は小さく、密度は大きい。
・大問2(2)ア[化|指定なし]水の電気分解でうすい水酸化ナトリウム水溶液を入れる理由 → 正答:電流を流しやすくするため。
・大問3(1)イ[生|指定なし]光合成の実験で葉を温めたエタノールに入れる理由 → 正答:葉を脱色するため。
・大問3(2)イ[生|指定語句:光合成・呼吸]日光が当たるところで光合成と呼吸の両方を行っているのに袋Aの酸素が増え二酸化炭素が減った理由 → 正答:光合成の方が呼吸よりさかんに行われているから。
20232問・大問3(2)ア[生|文脈補充]土壌微生物の実験でヨウ素液の色がQで変化せずRで青紫色になった理由 → 正答:①(微生物が)デンプンを分解した、②(沸騰で微生物が)死んでしまい、デンプンが分解されなかった
・大問6(2)イ[地|文脈補充]冬型の気圧配置で大陸からの冷たく乾燥した季節風が日本海をわたるときに雲を生じさせるしくみ → 正答:(比較的あたたかい海水から)水蒸気が供給される
20224問・大問1(3)イ[地|指定語句:マグマ]花こう岩をつくる鉱物の結晶が大きく成長する理由 → 正答:マグマが地下深くで長い時間をかけてゆっくりと冷えるから。
・大問3(1)イ[生|着目点:温度]試験管B(24℃)とC(手であたためる)の結果を比べてだ液のはたらきについてわかること → 正答:24℃の室温よりも手であたためた方が、だ液のはたらきがよくなること。
・大問4(2)イ[化|指定なし]水上置換で1本目の試験管に集めた気体は調べない理由 → 正答:1本目の試験管に集めた気体は、ほとんどが空気だから。
・大問4(2)ウ[化|文脈補充]集めた気体に①(石灰水)を入れてよく振るとどうなることから二酸化炭素と確かめられるか → 正答:② 白くにごる
20214問・大問1(2)[生|着目点:植物のはたらき]葉のあるaは水面が下がり袋が水滴でくもったが葉のないbは変化が見られなかった理由 → 正答:aの方がbよりも蒸散がさかんに行われたから。
・大問1(4)イ[地|指定語句:公転]昼の長さや太陽の南中高度が季節で異なる理由 → 正答:地球が地軸を傾けたまま公転しているから。
・大問2(1)イ[化|着目点:物質の量/指定語句:沸点]蒸留で最初の試験管Aの液体がよく燃えた理由 → 正答:試験管Aは水より沸点の低いエタノールの量が多いから。
・大問6(2)[地|指定語句:火山灰]柱状図からこの地域でかつて火山活動があったと考えられる理由 → 正答:火山灰などが固まってできた凝灰岩があるから。
20205問・大問3(2)[生|指定なし]タマネギの根にうすい塩酸を加え約60℃の湯で3分間あたためることで細胞が観察しやすくなる理由 → 正答:細胞どうしがはなれやすくなるから。
・大問3(4)[生|着目点:X〜Zのようす]植物の根は細胞がどのような変化をすることによって成長すると考えられるか → 正答:根は、先端に近い部分の細胞が分裂することで数が増え、増えた細胞のそれぞれが大きく(または、長く)なることにより、成長する。
・大問4(2)[化|着目点:粒子の大きさ/指定語句:ろ紙のすきま]ろ過した液が透明になりろ紙にデンプンが残った理由 → 正答:ろ紙のすきまより小さい水の粒子は通りぬけるが、デンプンの粒子は通りぬけることができないため。
・大問6(1)ウ[地|文脈補充]露点測定で金属製のコップを用いる理由(金属にはどのような性質があるか) → 正答:熱を伝えやすい
・大問6(2)イ[地|文脈補充]自然界でしめった空気のかたまりが上昇すると膨張して温度が下がる理由(上空ほどどうなるためか) → 正答:大気圧(または、気圧)が低くなる
20195問・大問1(4)イ[地|指定語句:密度・寒気]寒冷前線の前線面付近で暖気はどのような動きをしているか → 正答:暖気は、密度の大きい寒気に押し上げられる。
・大問3(1)ウ[生|指定なし]スギゴケのb(仮根)の役割 → 正答:からだを地面に付着させる
・大問3(2)イ[生|対比指定]タンポポやアサガオと、エンドウやアブラナのそれぞれの花弁のつくりの特徴 → 正答:(タンポポやアサガオ)1枚につながっている。(エンドウやアブラナ)1枚1枚離れている。
・大問4(2)ア[化|文脈補充]熱分解でガラス管の先を水から取り出した後に加熱をやめる理由(水に入れたまま火を消すとどうなるか) → 正答:水が逆流してしまう
・大問6(6)[地|指定なし]金星は夜明け前や夕方にしか見られないが、火星は真夜中でも見られる理由 → 正答:金星は地球よりも内側を公転しているのに対して、火星は外側を公転しているため。
20185問・大問1(3)イ[地|指定なし]日本列島に近づいた台風が中緯度から進路を東向きに変える理由 → 正答:偏西風の影響を受けるから。
・大問3(2)イ[生|指定語句:多いところ・少ないところ]赤血球のヘモグロビンがもっている性質 → 正答:酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質。
・大問3(4)[生|条件:資料をもとに]激しい運動により心臓の拍動や呼吸が激しくなる理由 → 正答:たくさんのエネルギーを取り出すために、多くの酸素が必要だから。
・大問4(3)[化|指定語句:塩]中和の実験2(硫酸+水酸化Ba)では沈殿ができたが、実験1(塩酸+水酸化Na)では沈殿ができなかった理由 → 正答:実験2でできた塩は水に溶けにくく、実験1でできた塩は水に溶けやすいから。
・大問5(3)イ[物|指定語句:電流]2個の豆電球を直列から並列につなぎかえると明るくなった理由(全体の抵抗の大きさがどうなるからか) → 正答:小さくなるので、大きな電流が流れた
20176問・大問3(3)[生|指定語句:遺伝子・形質]無性生殖によってできる子の特徴 → 正答:からだの細胞の遺伝子は、親のものと同じであり、形質も親と同じになる。
・大問4(2)イ[化|指定語句:炭素・銅・酸素]酸化銅と炭素の加熱で二酸化炭素が生じた理由「( )結びつきやすいから。」 → 正答:炭素は、銅より酸素と
・大問5(5)[物|指定なし]おもりが床についたのが7本目のテープが記録されたときと考えた理由 → 正答:速さの増し方が、6本目までのテープに比べて小さくなっているから。
・大問6(3)ア[地|指定なし]斑状組織をもつC(流紋岩)はマグマがどのように冷やされて固まってできたか → 正答:マグマが、急に冷やされて固まってできた。
・大問6(3)イ[地|指定なし]黒っぽいA(玄武岩)が傾斜のゆるやかな火山1のマグマからつくられたと考えた理由 → 正答:Aのもとになったマグマのねばりけが、小さいから。
・大問7(2)イ[地|指定なし]空気のかたまりYが最も低い高さで雲になると考えた理由 → 正答:露点までの温度差が、一番小さいから。
20166問・大問3(2)ア[生|指定語句:デンプン・だ液]水を加えたBも40℃で保ちA(だ液)と比べることで確かめる「あること」とは何か → 正答:デンプンの変化がだ液のはたらきであること。
・大問4(1)[化|指定なし]気体A、Bを取った注射器に少量の水を入れて振ると体積が減少した理由 → 正答:気体A、Bが水に溶けたから。
・大問4(3)イ[化|形式:方法と結果]気体Eが水素であることを明らかにするための方法とその結果 → 正答:火を近づけるとポンと音がした
・大問5(2)[物|指定なし]表から凸レンズBの焦点距離が15cmであると考えた理由 → 正答:距離Xが焦点距離の2倍のときは、距離Xと距離Yが等しくなるから。
・大問5(3)ア[物|指定なし]スクリーンと反対側にできる像(虚像)ができるとき、物体は凸レンズに対しどのような位置にあるか → 正答:物体が凸レンズの焦点の内側にある。
・大問6(2)ウ[地|指定語句:地軸]昼の長さや太陽の南中高度が時期によって変化する理由 → 正答:地球が公転面に対し地軸を傾けたままで公転しているから。
20155問・大問3(4)イ[生|指定語句:光合成・呼吸]弱い光を当てた袋Fの中の二酸化炭素の濃度が3時間後も等しかった理由 → 正答:光合成に使われた二酸化炭素の量と、呼吸によって出された二酸化炭素の量が等しかったから。
・大問4(2)ウ[化|指定なし]電極Yに付着した赤茶色の物質を薬さじでこすったときに現れ、銅であることがわかった特徴 → 正答:特有のかがやき(または、金属光沢)がある。
・大問5(4)[物|指定なし]磁界中のコイルが黒矢印の向きと逆に動くようにする方法を1つ記述 → 正答:電流の向きを逆にする。(または、磁石の極の向きを逆にする。)
・大問6(2)イ[地|指定なし]れき岩にふくまれる粒の多くが、角がとれて丸みをおびている理由 → 正答:流水により運搬される間に、粒がぶつかり合い、角がけずられたから。
・大問7(3)[物|指定語句:速さ]競技用号砲の光が見えてから、その後に音が聞こえてきた理由 → 正答:音の伝わる速さが、光の速さより遅いから。
20144問・大問3(3)[生|指定なし]タマネギの根に塩酸を加え約60℃に温める処理を行うと細胞分裂のようすが観察しやすくなる理由 → 正答:一つ一つの細胞が離れやすくなるから。
・大問6(2)[地|指定なし]天気図の地点A、Bのうち地点Bの方が風が強く吹くと考えた理由 → 正答:等圧線の間隔がせまいから。
・大問6(4)[地|指定なし]風は地点CからDに向かって吹くと考えた理由 → 正答:風は気圧の高い方から低い方に向かってふくから。
・大問7(2)[地|指定なし]空気のかたまりが上昇すると温度が下がる理由 → 正答:まわりの気圧が低くなり膨張するから。
20137問・大問1(2)イ[生|指定なし]スケッチA〜Cの中でCが根の先端に最も近いと考えた理由 → 正答:根の先端は細胞分裂が盛んだから。
・大問2(1)ア[物|着目点:針のふれの向き・大きさ]S極を実験のときより速くコイルに近づけたときの検流計の針のふれ → 正答:右に、実験のときよりも大きくふれる。
・大問2(1)イ[物|指定なし]棒磁石がコイルの中で静止しているときに検流計の針がふれなかった理由 → 正答:コイルの中の磁界が変化しないから。
・大問3(1)ア[生|指定なし]顕微鏡で「接眼レンズをのぞきながら対物レンズとプレパラートを近づける」が誤りである理由 → 正答:接眼レンズをのぞきながら対物レンズとプレパラートを近づけると、プレパラートをこわすことがあるから。
・大問3(2)イ[生|指定なし]メダカの尾びれで血管cが静脈であると考えた理由 → 正答:尾びれの先の方から頭の方に血液が流れているから。
・大問6(2)[地|指定なし]火星が真夜中に南中するのは、火星・地球・太陽がどのような位置関係のときか → 正答:太陽、地球、火星の順に一直線に並んでいるとき。
・大問7(1)[化|指定なし]100gの水に溶ける硝酸Kの質量や空気1m³中の飽和水蒸気量を同じ方法で増やす方法 → 正答:温度を上げる。
20128問・大問3(4)イ[生|指定なし]二酸化炭素の濃度が増加すると地球の年平均気温が上昇するのは二酸化炭素にどのような性質があるからか → 正答:地球から宇宙空間に放出される熱を逃がしにくくする性質があるから。
・大問4(1)ア[化|指定なし]銅にはみられない、マグネシウムだけにみられる燃焼の特徴 → 正答:激しく白い光を出して燃える。
・大問4(1)イ[化|形式:方法と結果]加熱後の物質に未反応のマグネシウムが含まれていることを加熱せずに確かめる方法とその結果 → 正答:塩酸に加えると、水素が発生する。
・大問4(2)ア[化|指定なし]銅粉を加熱するときに薬さじでかき混ぜながら行う理由 → 正答:空気を十分に行きわたらせるため。
・大問6(3)[地|指定なし]斑状組織の石基Aはどのように冷えてできたか → 正答:急に冷えてできた。
・大問6(4)ア[地|指定なし]火山灰を蒸発皿に入れて水で洗う場合、どのような洗い方をすればよいか → 正答:指で押すように洗う。
・大問7(1)[化|指定なし]水の電気分解で水に水酸化ナトリウムを溶かした溶液を使う理由 → 正答:水に電流を通しやすくするため。
・大問7(2)イ[物|指定なし]H字管と直列に抵抗をつなぎ電源を同じ12Vにしたとき、発生する気体の体積が減少する理由 → 正答:抵抗を直列につなげると全体の抵抗が大きくなり、電流の大きさが小さくなるため。

3. 4分野別の頻出記述テーマと模範解答の型

第2章の全70問を重複・欠落なく単元系統別に分類し、各分野で繰り返し問われている記述テーマと解答の骨格(型)を整理する。

1. 地学分野(全24問):3系統の内訳と頻出記述の型

地学の短文記述24問は、以下の3系統(10問・8問・6問)で構成されており、4分野の中で最も出題数が多い。

  1. 気象・前線・大気中の水蒸気と雲のでき方(10問)
    • 出題年度:2014(3問)、2017、2018、2019、2020(2問)、2023、2025年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 雲ができる理由(2014、2020年):「上空ほど気圧(大気圧)が低くなり、空気が膨張して温度が下がるから」。
      • 寒冷前線の特徴(2019、2025年):前線面付近での暖気の動きは「暖気は、密度の大きい寒気に押し上げられる(2019年)」、通過時の雨の特徴は「温暖前線よりも強い雨が短時間に降る(2025年)」。
      • 露点測定で金属製コップを使う理由(2020年):「金属には熱を伝えやすい性質があるため(水温と表面付近の空気の温度がほぼ等しくなるから)」。
      • 冬の季節風と降雪(2023年)・台風と偏西風(2018年)・等圧線と風(2014年):「日本海をわたるときに比較的あたたかい海水から水蒸気が供給される(2023年)」「偏西風の影響を受けるから(2018年)」「等圧線の間隔がせまいから/風は気圧の高い方から低い方に向かってふくから(2014年)」。
  2. 火山・火成岩の組織と鉱物・地層と堆積岩(8問)
    • 出題年度:2012(2問)、2015、2017(2問)、2021、2022、2025年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 火成岩の冷え方と時間(2012、2017、2022、2025年:計4回出題):火山岩(斑状組織・石基)は「(地表や地表付近で)マグマが短い時間で(急に)冷え固まってできた(2012、2017、2025年)」、深成岩(等粒状組織・花こう岩)は「マグマが地下深くで長い時間をかけてゆっくりと冷えるから(2022年)」。
      • マグマのねばりけと火山形状(2017年)・火山灰の洗い方(2012年):傾斜がゆるやかな火山になるのは「もとになったマグマのねばりけが小さいから(2017年)」、わんがけ法は「指で押すように洗う(2012年)」。
      • 凝灰岩と火山活動(2021年)・れきの角が丸い理由(2015年):「火山灰などが固まってできた凝灰岩があるから(2021年)」「流水により運搬される間に、粒がぶつかり合い、角がけずられたから(2015年)」。
  3. 地球と宇宙:内惑星と外惑星の見え方・地軸の傾きと季節変化(6問)
    • 出題年度:2013、2016、2019、2021、2024、2026年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 金星・火星の公転軌道と観測時刻・位置関係(2013、2019、2026年:計3回出題):金星単独なら「金星は地球の内側を公転しているから(2026年)」、火星との対比なら「金星は地球よりも内側を公転しているのに対して、火星は外側を公転しているため(2019年)」、火星が真夜中に南中する位置関係は「太陽、地球、火星の順に一直線に並んでいるとき(2013年)」。
      • 昼の長さや南中高度が季節で変わる理由(2016、2021年:計2回出題):「地球が(公転面に対し)地軸を傾けたまま公転しているから」。
      • 地球型惑星の特徴(2024年):「(木星型惑星と比較して)直径は小さく、密度は大きい」。

2. 生物分野(全20問):4系統の内訳と頻出記述の型

生物の短文記述20問は、以下の4系統(6問・6問・4問・4問)で構成されている。

  1. 植物の光合成・呼吸・蒸散とだ液の消化実験(6問)
    • 出題年度:2015、2016、2021、2022、2024(2問)年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 光合成と呼吸の気体収支(2015、2024年):強い光の下で酸素が増え二酸化炭素が減る理由は「光合成の方が呼吸よりさかんに行われているから(2024年)」、弱い光の下で見かけの二酸化炭素濃度が変わらない理由は「光合成に使われた二酸化炭素の量と、呼吸によって出された二酸化炭素の量が等しかったから(2015年)」。
      • 光合成実験のエタノール脱色(2024年)・ホウセンカの蒸散(2021年):温めたエタノールに入れる理由は「葉を脱色するため(2024年)」、葉のある枝の水面が下がった理由は「aの方がbよりも蒸散がさかんに行われたから(2021年)」。
      • だ液の対照実験の目的と温度条件(2016、2022年):水を加えた試験管と比較する目的は「デンプンの変化がだ液のはたらきであることを確かめるため(2016年)」、温度条件の比較は「24℃の室温よりも手であたためた方が、だ液のはたらきがよくなること(2022年)」。
  2. 細胞分裂・生物の成長と無性生殖、顕微鏡操作(6問)
    • 出題年度:2013(2問)、2014、2017、2020(2問)年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • タマネギの根に塩酸を加え約60℃で温める理由(2014、2020年:計2回出題):「細胞どうし(一つ一つの細胞)が離れやすくなるから」。
      • 根の成長のしくみ(2013、2020年):「根は、先端に近い部分の細胞が分裂することで数が増え、増えた細胞のそれぞれが大きく(長く)なることにより、成長する(2020年)」。
      • 無性生殖の特徴(2017年)・顕微鏡のピント合わせの注意(2013年):「からだの細胞の遺伝子は、親のものと同じであり、形質も親と同じになる(2017年)」「接眼レンズをのぞきながら対物レンズとプレパラートを近づけると、プレパラートをこわすことがあるから(2013年)」。
  3. 動物の血液循環・呼吸と刺激・反応(4問)
    • 出題年度:2013、2018(2問)、2025年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 脊髄反射の理由(2025年):「熱の刺激がせきずいから脳に伝わる前に、せきずいからの命令が筋肉に伝わるから」。
      • ヘモグロビンの性質と運動時の呼吸増加(2018年):「酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質」「たくさんのエネルギーを取り出すために、多くの酸素が必要だから」。
      • メダカの尾びれの静脈の判別理由(2013年):「尾びれの先の方から頭の方(心臓の方)に血液が流れているから」。
  4. 植物のつくり・分類と生態系・微生物のはたらき(4問)
    • 出題年度:2012、2019(2問)、2023年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 土壌微生物のデンプン分解実験(2023年):うすい上澄み液では「微生物がデンプンを分解したため」、沸騰させた上澄み液では「微生物が死んでしまい、デンプンが分解されなかったため」。
      • 合弁花と離弁花の特徴・コケの仮根の役割(2019年):花弁が「1枚につながっている/1枚1枚離れている」、仮根は「からだを地面に付着させる役割」。

3. 化学分野(全17問):3系統の内訳と頻出記述の型

化学の短文記述17問は、以下の3系統(7問・5問・5問)で構成されている。

  1. 水溶液の溶解度・ろ過・蒸留と中和の沈殿・電気分解の理由(7問)
    • 出題年度:2012、2013、2018、2020、2021、2024、2026年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 水の電気分解でうすい水酸化ナトリウム水溶液を入れる理由(2012、2024年:計2回出題):「(水に)電流を流しやすくするため」。
      • 溶解度と再結晶・ろ過・蒸留(2013、2020、2021、2026年):食塩の結晶が出ない理由は「温度によって溶解度がほとんど変わらないから(2026年)」、ろ過でデンプンが残る理由は「ろ紙のすきまより小さい水の粒子は通りぬけるが、デンプンの粒子は通りぬけることができないため(2020年)」、蒸留の最初の試験管がよく燃える理由は「水より沸点の低いエタノールの量が多いから(2021年)」。
      • 中和反応での沈殿の有無(2018年):「実験2でできた塩(硫酸バリウム)は水に溶けにくく、実験1でできた塩(塩化ナトリウム)は水に溶けやすいから」。
  2. 気体の発生・捕集・確認と熱分解の実験操作(5問)
    • 出題年度:2016(2問)、2019、2022(2問)年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 水上置換で1本目の試験管を調べない理由(2022年):「1本目の試験管に集めた気体は、ほとんどが空気だから」。
      • 熱分解で火を消す前にガラス管を水から抜く理由(2019年):「(水に入れたまま火を消すと、加熱していた試験管に)水が逆流してしまうから」。
      • 気体の確認方法と性質(2016、2022年):水素の確認は「火を近づけるとポンと音がした(2016年)」、水を入れて気体の体積が減る理由は「気体が水に溶けたから(2016年)」、二酸化炭素は石灰水を入れて振ると「白くにごる(2022年)」。
  3. 金属の酸化・還元と物質の性質・確認方法(5問)
    • 出題年度:2012(3問)、2015、2017年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 酸化銅の炭素還元が起こる理由(2017年):「炭素は、銅より酸素と(結びつきやすいから)」。
      • マグネシウムと銅の酸化実験(2012、2015年):銅粉を薬さじでかき混ぜる理由は「空気を十分に行きわたらせるため(2012年)」、未反応のマグネシウムを確かめる方法と結果は「塩酸に加えると、水素が発生する(2012年)」、銅をこすったときの特徴は「特有のかがやき(金属光沢)がある(2015年)」。

4. 物理分野(全9問):2系統の内訳と頻出記述の型

物理の短文記述9問は、以下の2系統(5問・4問)で構成されている。

  1. 電気回路の抵抗変化と電流・磁界・電磁誘導(5問)
    • 出題年度:2012、2013(2問)、2015、2018年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 直列・並列接続による全体の抵抗と電流の変化(2012、2018年):抵抗を直列につなぐと「全体の抵抗が大きくなり、電流の大きさが小さくなるため(2012年)」、豆電球を直列から並列につなぎかえると「全体の抵抗の大きさが小さくなるので、大きな電流が流れたから(2018年)」。
      • 電磁誘導と磁界中の電流(2013、2015年):棒磁石が静止しているときに電流が流れない理由は「コイルの中の磁界が変化しないから(2013年)」、磁界中のコイルが動く向きを逆にする方法は「電流の向きを逆にする(または、磁石の極の向きを逆にする)(2015年)」。
  2. 凸レンズの結像・音と光の速さ・記録タイマーの運動変化(4問)
    • 出題年度:2015、2016(2問)、2017年度。
    • 頻出テーマと解答の型:
      • 記録タイマーのテープ長の変化(2017年):7本目のテープでおもりが床についたと判断できる理由は「速さの増し方が、6本目までのテープに比べて小さくなっているから」。
      • 光が見えた後に音が聞こえる理由(2015年):「音の伝わる速さが、光の速さより遅いから」。
      • 凸レンズの焦点距離と虚像の条件(2016年):X=Y=30cmから焦点距離15cmとわかる理由は「距離Xが焦点距離の2倍のときは、距離Xと距離Yが等しくなるから」、虚像ができる条件は「物体が凸レンズの焦点の内側にある」。

4. 初見の短文記述問題で減点されないための4段階の解答手順

青森県の短文記述問題で確実に満点を取るための4段階の確認手順を以下の表に整理する。

確認段階具体的な確認・処理内容青森県過去問での代表的なチェック箇所
第1段階:指定語句と着目点の丸囲み問題文中の「『○○』という語を用いて」「『○○』に着目して」に丸をつけ、使うべき語句と記述すべき要素の数を確定させる。・「雨の降る強さ」と「雨の降る時間」の2要素が必須(2025地学)
・「直径」と「密度」の2語が必須(2024地学)
・「炭素」「銅」「酸素」の3語が必須(2017化学)
第2段階:対比構造(AとB)の明確化2つの実験や物質・天体を比較する設問では、一方だけを書いて主語を曖昧にせず、「Aは〜だが、Bは〜である」と対比させて書く。・「金星は内側を公転しているのに対し、火星は外側を公転しているため」(2019地学)
・「実験2の塩は水に溶けにくく、実験1の塩は溶けやすいから」(2018化学)
・「水の粒子は通りぬけるが、デンプンの粒子は通りぬけられない」(2020化学)
第3段階:因果関係の中間ステップの補完原因と結果が離れている場合は、間をつなぐ理科的根拠(抵抗の変化→電流の変化、刺激の伝達順序など)を省略せずに書く。・「せきずいから脳に伝わる前に、せきずいからの命令が筋肉に伝わるから」(2025生物)
・「全体の抵抗が大きくなり、流れる電流が小さくなるため」(2012・2018物理)
第4段階:設問の問いかけ・空欄前後との文末照合独立記述なら「〜から。」「〜ため。」、文中の空欄補充なら前後の助詞・述語と文法的に自然につながるかを声に出して確認する。・「〜( 空欄 )結びつきやすいから。」→「炭素は、銅より酸素と」(2017化学)
・「方法とその結果を書きなさい」→「塩酸に加えると、水素が発生する」(2012化学)

青森県公立高校入試・理科の記述対策と復習手順

青森県の理科における短文記述問題は、15か年(全70問)の出題一覧から明らかな通り、各単元の最も基本的な原理や実験操作の意味を1〜2文で正確に言語化できるかを問う問題である。

普段の学習では、用語を単語カードのように一問一答で暗記するだけでなく、「なぜその用語・現象になるのか(例:示準化石→なぜ年代がわかるのか、塩酸処理→なぜ観察しやすくなるのか、露点測定→なぜ金属製コップを使うのか)」を逆向きに説明する練習を取り入れることで、記述問題と選択問題の両方の得点力を同時に高めることができる。

なお、2027年度の青森県公立高校入試・理科における4分野の全体構造や重点対策領域、および作図・計算問題の対策については、以下の記事および詳細レポートで解説している。あわせて受験対策に役立ててほしい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

コメント

コメントする

目次