【2025年度】東京理科大学英語大問1:感覚に頼らず構文と語法で解く読解の型

目次

1. 序論:東京理科大学英語大問1攻略の真実

東京理科大学[B方式・建築学部ほか]の英語大問1(長文読解・構文整序)の攻略は、単語を拾って文脈だけで何となく意味を推測する作業ではない 。文法規則に基づく機械的な構造分解の型を適用する手順である 。

もちろん、主要な英単語の語彙力や、高校英文法の基本知識(文型、関係詞、比較など)は大前提として不可欠である 。しかし、用語や公式を頭の中に丸暗記するだけでは不十分であり、文脈の反転を見抜く手順や、文型構造から語句の「座席」を視覚的に特定するという処理手順が必要になる

一般的な指導では「前後の文脈から判断する」と説明されることが多い。しかし、東京理科大学の大問1では、その前に文法構造を正確に確定する必要がある 。データに基づき淡々と英文の構造を分析すれば、合格に必要な得点は感覚に頼らずとも必然的に導き出せる

2. 2025年度 大問1:設問ごとの構造と処理手順一覧

本年度の大問1は「機械翻訳の発展と、それに対する工学系学生の英語学習の必要性」というテーマである。一見すると読みやすいテーマであるが、設問の多くは、感覚的な読みでは処理しにくい構造になっている。以下に、全設問の難所と処理手順をまとめた。

設問番号出題形式求められる知識・構造誤解を招く失点パターン安定して得点する処理手順
(1)語句推測同義表現の識別表面的な直訳による混乱目的語との結びつきから核心の意味を特定する
(2)語句推測Otherwiseの指示内容の反転 前後の日本語を適当につなげる直前の文構造を機械的に裏返す(原則81:同形反復の原理)
(3)語句推測無生物主語を伴う動詞の言い換えundergoの辞書的な一対一対応主語と目的語の因果関係からふさわしい動詞を選ぶ
(4)語句推測vice versaの方向性の判定選択肢の文字面だけで迷う直前の文におけるベクトルの始点と終点を逆転させる
(5)構文整序第4文型(SVOO)の構造決定 英語の語順を感覚で並び替える原則30:動詞の語法から必要な「座席」を確定させ配置する
(6)空所補充コロケーションの知識前置詞 of を無視した日本語訳be informed of の固定された形を見抜く
(7)構文整序前置詞+関係代名詞の識別 カンマ以降の関係を雰囲気で繋ぐ原則62:2つの完全なベース文を頭の中で復元して結合する
(8)空所補充比較構文の対称性 文脈だけで対義語を連想する原則70:天秤の左皿と右皿の要素が「同格」になるよう選ぶ
(9)指示語the former の対象特定登場する名詞を雰囲気で選ぶ直前の文で対比されている2つの名詞の順序を確認する
(10)空所補充名詞の機能と可算・不可算 use を「使う」という動詞と誤認原則52:of + 抽象名詞 の機能と、不可算名詞の修飾規則を適用する
(11)内容一致本文の主張とファクトの合致選択肢の細かい部分的な言い換えに騙されるマクロ構造(段落ごとの役割)に基づき事実を照合する

3. 東京理科大学英語大問1における「構文把握と文型識別」の徹底分析

差がつきやすい構文整序、および空所補充の3つの難所について、当研究所の「型」を用いた解決策を解説する。

【SVOOの語順決定】文型から後続要素を自動配置する「文型固定」の型

設問(5)は、空所の後ろにある convenient way という名詞の塊に綺麗につなげる整序問題である。

[問題] Now that the [ 1 an / 2 and / 3 easy / 4 has / 5 given / 6 technology / 7 us ] convenient way…

受験生が犯しやすい失点パターンは、選択肢を適当に組み合わせて「意味が通りそうな日本語」を作ろうとすることである。ここで行うべきは、原則30「動詞の意味は,後続の語句の用法から文型を判断することによって決まる」を適用し、文型から座席を自動的に確定させる手順である

  1. 選択肢の中から、has(4)と given(5)を組み合わせて現在完了形の動詞のパーツを作る。
  2. 動詞 give は「人に物を与える」という第4文型(SVOO)の座席をとる性質がある。したがって、後ろには「名詞(人)」+「名詞(物)」が来ることが文法上確定する。
  3. 原則52「全ての名詞は次のいずれかの働きをしていなくてはならない。①主語 ②目的語 ③補語 ④前置詞の目的語」に則り、要素を配置する 。選択肢の中にある名詞(人)は us(7)のみである。また、主語になり得る名詞は technology(6)のみである。
  4. この時点で、主語は technology、動詞は has given、間接目的語は us となり、the technology has given us [直接目的語] という骨格が完成する 。
  5. 直接目的語は an easy and convenient way である。空所外の convenient way と結合するように、an(1)、and(2)、easy(3)を前に置けばよい。

結果として、the technology has given us an easy and convenient way(テクノロジーは私たちに簡単で便利な方法を与えた)という構造が機械的に組み上がる。

【前置詞+関係代名詞の整序】元の完全な文を復元して座席をロックする「ベース文復元」の型

設問(7)は、関係代名詞 whose を含む極めて正答率に差がつく整序問題である。

[問題] experts, [ 1 advice / 2 may / 3 on / 4 public / 5 the / 6 whose ] depend.

この問題で自己流の感覚を頼りにした者は、前置詞 on や関係形容詞 whose の扱いに迷い、時間切れを招く。当研究所が提示する決定ルールは、原則272「ベース文復元プロトコル」に基づき、「関係詞によって引き裂かれる前の、2つの独立した完全な文を頭の中で一度復元する」ことである

  1. 空所の後ろに動詞の原形 depend が残されていることに注目する。depend は通常 depend on 〜 の形で用いられる。
  2. 空所内にある on(3)は、この depend と結びつくものであると判断できる 。
  3. 元の文(説明される側の文)を復元すると、the public may depend on their advice(一般大衆は彼らの助言に頼るかもしれない)という完全な文が成立する 。
  4. この中の所有格 their(彼らの=専門家たちの)が、関係形容詞 whose(6)に形を変えて文頭に移動する。
  5. このとき、名詞 advice(1)は whose と一体化して動く。さらに、原則62「[前置詞 + 関係代名詞]節。後ろは完全文。前置詞は節末に移動可能」に則り、on(3)がその塊ごと前方に牽引されるため、on whose advice という前置詞句が先頭に固定される 。
  6. 関係詞の塊の内部に残された要素は、主語である the public(5, 4)と、助動詞 may(2)、そして文末に位置する動詞 depend である。

この手順により、on whose advice the public may depend という正しい配列が1通りの構造として浮かび上がる。

【比較対象の特定】天秤の両皿に同格の要素を乗せる「比較の対称性」の型

設問(8)は、空所にふさわしい名詞句を選ぶ選択肢問題である。

[問題] operate closer to the developers’ side, rather than to the ( ) side.

文法を無視した文脈頼みで「開発者の反対だからユーザーだろう」と解くのは、応用が効かない危険なアプローチである。英語の比較構文を解く際は、原則70「比較構文の鉄則。比べる対象は文法上・意味上『同格』でなければならない」に従い、接続詞 rather than の前後を「天秤の両皿」と捉え、構造を完全に一致させるという手順をとらなければならない

  1. 左の皿(比較の基準)に乗っているのは、to the developers' side という「前置詞 to + 定冠詞 the + 所有格名詞 + side」の構造である。
  2. 右の皿(比較の対象)を見ると、to the ( ) side となっており、左の皿と完全に同じ骨組み(原則81:同形反復の原理)が用意されていることが視覚的に確認できる 。
  3. したがって、空所には「左の皿の developers' に対応する、所有格または形容詞の役割を果たす名詞要素」が機械的に入らなければならない 。
  4. 選択肢を見ると、2 (end users’ or consumers’) がまさに所有格の形をとっており、天秤の左右のバランスが完全に合致する。

このように、英文の構造を視覚的な「天秤」として処理することで、迷う余地なく正解を特定することが可能となる

4. 結論と今日から徹底すべき3つのチェック

東京理科大学のような難関理系大学の英語で得点を安定させるために必要なのは、感覚的な読解力だけではない 。また、「理系だから英語は単語を繋ぎ合わせるだけでいい」という誤った通念も、今すぐ捨てるべきである。合否を分けるのは、英文が持つ普遍的な文法構造を客観的に見抜き、毎回同じ「正しい型(手順)」を徹底できるかという再現性にほかならない

自己流の学習、すなわち「英単語の文字面をただ丸暗記する」「解説を読んで納得したつもりになり、漫然と次の過去問を解く」といった方法では、出題者が仕掛けた英文の真の構造や、自分自身の要素不足に気づくことは極めて困難である

知識を実戦で使える武器に変えるために、今日から以下の指針を徹底されたい

1. 動詞を見たら、後ろに続く文型を確認する

動詞を見たら、単語の意味を覚えるだけで満足せず、必ず後ろに続く文型(座席の数と種類)をセットで確認する習慣をつけること

2. 整序問題では、意味より先に主要要素を確定する

整序問題で行き詰まったときは、日本語の意味から組み立てようとせず、主語・動詞・目的語といった主要要素のペアを文法規則から先に確定させること

3. 比較・関係詞では、元の完全な文を復元する

比較や関係詞の文に触れる際は、省略や移動が起きる前の「元の完全な文」を頭の中で復元する訓練を、過去問演習を通じて毎回行うこと

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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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