【2024・2025年】石川県公立入試英語・大問2〜4:単語拾いを防ぐ「論理マーカー処理」の手順

英語の読解問題を攻略するためには、単語や文法といった基礎知識が不可欠である。しかし、単語の日本語訳を断片的につなぎ、前後の論理関係を確認しないまま「なんとなく」内容を推測する読み方では、安定して得点することは難しい。

2024・2025年の大問2〜4では、日常会話から環境問題、高齢化社会まで、複数の題材が扱われている。ここで求められるのは、文脈の展開を示す標識を見逃さず、客観的に関係性を追う「処理手順」である。

単語を拾うだけの読み方をすると、具体的にどのように構造を見誤るのか。例えば、2025年の大問4において「However, we don’t only eat onigiri for the taste.(しかし、私たちは味のためだけにおにぎりを食べているわけではない)」という一文が登場する。単語の訳だけを追う生徒は、ここから「味の魅力」から「NPOによる社会貢献活動」へと話題・視点が逆接的に転換するという決定的な構造変化を見落とし、その後の内容展開や設問根拠を取り違える危険がある。

当研究所が抽出した過去2年分のデータに基づき、石川県公立入試の読解問題を攻略するための型を提示する。

目次

石川県公立入試英語・大問2〜4 必須語彙・構文データ(2024-2025年統合版)

以下は、過去2年分の大問2〜4において、単なる直訳ではなく、文脈の把握や解答の根拠として機能した語彙および構文の抽出リストである。分析の明確化のため、「一般語彙」と「論理マーカー」の2層に分けて提示する。

【表1】本文理解に必要な語彙・構文

英単語/熟語/構文品詞本文中での意味備考(文脈・テーマなど)
nervous形容詞緊張して心理状態の描写(事前の予想と実際のズレ)
look forward to ~熟語〜を楽しみに待つ会話の結び、未来への期待を示す
improve動詞向上させる、上達させる練習や対策による状況の変化
endangered形容詞絶滅の危機に瀕した環境・社会テーマにおける問題提起
take part in ~熟語〜に参加するボランティア等の活動への参加条件
injured形容詞けがをした事故による被害の描写
disappear動詞姿を消す環境問題におけるネガティブな状況の進行
save動詞救う課題解決に向けた具体的な行動
expensive形容詞高価な付加価値の発生
tourist名詞旅行客観光・インバウンド等の具体例
abroad副詞海外から、海外でfrom abroad(海外から)等の出所・範囲
spread動詞広がる文化や現象の世界的普及・推移
solve動詞解決する社会課題に対する行動とその結果
have wanted to watch熟語/構文ずっと見たいと思っていた過去から現在に至る願望の継続(現在完了)
be free熟語予定がない、暇であるスケジュール調整における状況提示
comfortable形容詞快適な、心地よい施設や環境の物理的・心理的状態
unique形容詞独特な、特有の体験や場所が持つ特別な性質
scenery名詞景色、風景観光ツアーにおける視覚的情報
be not good at ~ing熟語/構文〜するのが苦手である人物の特性や行動に対する制約条件
express動詞表現する芸術や写真を通じた自己表現の動作
recommend動詞勧める他者に対する具体的な提案や推奨
attractive形容詞魅力的な成果物が他者に与える印象や効果
elderly形容詞高齢の高齢化社会等の社会課題の対象層
depend on熟語〜に頼る、依存する特定の交通手段等への依存状態
increase動詞増やす、増加する数量や事象の客観的な推移
give up熟語放棄する、諦める免許返納などの具体的な行動・決断

【表2】前後関係を決める論理マーカー

英単語/熟語/構文品詞本文中での意味備考(機能・論理関係)
However副詞しかし視点や文脈の逆接的転換
actually副詞実は、実際のところ予想や建前から実情・事実への修正
In addition熟語さらに、加えて追加情報の提示、長所の付加
though接続詞〜だけれども特定の条件に対する譲歩
because of前置詞(句)〜が原因で原因と結果の関係提示
instead of前置詞(句)〜の代わりに手段や対象の代替を示す
in fact副詞(句)実際(には)前言に対する具体例や事実の強調
without前置詞〜がなければ仮定(条件)と帰結の関係提示
as接続詞〜するにつれて時間的推移と比例関係の提示
at the same time熟語同時に2つの事象や感情の並立
according to ~熟語〜によれば情報源や客観的なデータの提示

【石川県公立入試英語・読解問題】論理マーカーによる前後関係の確定手順

接続詞・前置詞が示す「機能」を判定する3ステップ

読解問題において最も警戒すべきは、単語の羅列から自分に都合の良いストーリーを作り上げてしまうことである。論理マーカーは、その解釈のブレを防ぐための強力な標識として機能する。

2024年の大問4(高齢ドライバーの問題)における以下の英文を確認する。

“I think that, to continue to drive safely, it will be better for them to use safer cars instead of their own car.”

ここで「instead of(〜の代わりに)」という前置詞句を見落とし、単語だけを拾うと「自分の車で安全に運転すべきだ」と真逆の解釈をしてしまう。この場合、自分の車を使うのではなく、より安全な車を使うという「手段の代替」として客観的に関係性を読み取らなければならない。

この処理を安定させるため、以下の手順をルール化する。

【処理手順】:論理マーカーを見つけたら、次の3段階で処理する。

  1. 機能の判定:逆接・因果・追加・代替・条件・事実提示のどれに該当するかを判定する。
  2. 言語化:前後の関係を短い日本語で明確に言語化する。
  3. 照合:その関係が設問の選択肢や解答根拠と一致するか確認する。

データと事実を繋ぐ「原因と結果」の客観的処理

今回扱った問題では、「原因」と「結果」の関係が設問根拠となる箇所が複数確認できる。

同じく2024年の大問4では、次のように記述されている。

“I found that many traffic accidents caused by elderly drivers happen because of their errors.”

ここでは「because of(〜が原因で)」という明確な標識がある。「彼らのミス(原因)」が「多くの交通事故(結果)」を引き起こしているという因果関係を、データ(グラフ)と照らし合わせながら淡々と処理する。ここを曖昧にしたまま読み進めると、続く「免許返納」や「代替交通手段」といった文脈の展開を見失う可能性が高い。

英語の読解は「センスだけ」で決まるものではない

英語の長文読解を、幼少期からの英語経験や感覚だけの問題として片付けるべきではない。語彙と文法を土台としたうえで、論理マーカーに基づいて前後関係を整理する手順を身につければ、読解の再現性を高めることができる。

得点を安定させるために重要なのは、英文をすべて日本語に置き換えることではなく、設問の根拠となる逆接・因果・追加・代替・条件を正確に捉えることである。今日から以下の実践を取り入れること。

  1. 機能としての語彙暗記: 単語帳に取り組む際、日本語訳だけでなく、その語が文脈の中でどのような役割(逆接、因果、代替など)を果たす論理マーカーであるかを意識して分類する。
  2. マーカーの視覚化と3ステップ処理: 問題演習時、However や instead of 等のマーカーを見つけたら必ず印をつけ、「機能の判定」「関係の言語化」「設問との照合」の3段階の手順を毎回実行する。
  3. 段落の要の精読: 拾い読みの癖を修正するため、論理マーカーが含まれる一文を中心に、前後関係がどうなっているか(何が原因か、何が追加されたか)を図式化するつもりで構造を読み解く。
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この記事を書いた人

千葉県・習志野市を拠点とする「習志野受験研究所」所長。10年以上の指導現場から得た知見をもとに、全国の入試問題を分析・発信しています。

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